誠也、千金一発でカブスが先勝

長男ヒロトくんと会見に出席

October 1st, 2025

カブス3-1パドレス】シカゴ/リグレーフィールド、9月30日(日本時間10月1日)

待ち望んだ秋の戦い。鈴木誠也(31)はメジャー4年目でポストシーズン初出場。パドレスとのワイルドカードシリーズ(WCS)第1戦に「5番・ライト」で出場し、同点ソロを放ち、勝利に貢献した。第2戦は10月1日(同2日午前4時8分開始)に行われる。

叫んだ。右拳を力強く握り、振り下ろした。0−1の五回。先頭の鈴木は、ピベッタの内角低め、95マイル(約153キロ)を完璧に捉えた。打った瞬間、シカゴのファンは総立ち。勝利への流れは、誠也の一発で作った。

「とりあえず最高でした。ファンのみなさんの熱気もすごかった。終始、鳥肌が立っていた。すごく楽しんできょうのゲームができました」

左中間スタンド中段に打球が届き、ガッツポーズを連発した。続くケリーが2者連続のホームランで一気に勝ち越し。八回にはホーナーのセンターへの犠牲フライで3−1とした。好調で迎えた初出場のプレーオフ。“5試合連続”ホームランは、“神ってる”活躍だ。

「なんで自分がここまで打てるのか正直、分からない。きょうのホームランは自分だけの力じゃない、自分が思ってる以上の力が出て、周りのみんなに打たせてもらったホームランでもある」

4試合連続で5本塁打を放ち、調子を上げてレギュラーシーズン最終週を終えた。そして、ナ・リーグ野手の週間MVPを獲得した。この日で5戦6発の大暴れ。サラ・ラングス記者によれば、レギュラーシーズンを4試合連続本塁打で終えた選手は過去3人で誠也を含め、4人のみ。しかし、いずれの選手もポストシーズン初戦でホームランは打てなかった、と報じた。鈴木がレギュラーシーズンを含めた5試合連発の史上初を達成するオマケ付きだ。

「シーズン中には感じられない緊張感。すごく楽しんでプレーできた」

会見場には長男のヒロトくん(3)も一緒に出席。メジャーでは子どもたちが会見に同席することは文化の一つだ。

「アメリカの野球のいいところ。こうやって記者会見で子どもがくることは(日本では)ないこと。いい経験になると思いますし、子どもにこういう夢を見させるのは親としての仕事でもあるのですごくいい環境だと思っています」

隣に座った先発左腕、ボイドの息子が「GO CUBS GO!」と球団応援歌の一節でカブスファンの合言葉で会見を締めた。続け、とばかりにヒロトくんも「ごー、かぶす、ごー」とパパとチームにエールを送った。

カブスは2020年以来、5年ぶりのプレーオフ。しかし、当時はコロナ禍で無観客開催だった。シカゴのファンが目の前でポストシーズンの勝利を届けるのは、2017年以来、8年ぶり。3試合制のポストシーズンでは、過去に第1戦を勝利したチームが90%(20チーム中18チーム)、次のシリーズに進出するデータがある。誠也が勢いをつけ、WCS突破に導く。