【カブス8-3パドレス】サンディエゴ/ぺトコパーク、4月28日(日本時間29日)
カブスの鈴木誠也(31)は「3番・右翼」で出場し、4打数2安打、1四球。2試合連続マルチ安打で打率.328、OPS(長打率+出塁率).997とした。2-2の五回無死一塁の守備では、右翼ポール際への飛球をスライディングキャッチ。好守で貢献し、チームは勝利。連敗を3で止めた。鈴木は前シリーズのドジャース戦でも球際の打球を2度、好捕するなど失点を防いでいる。
「大事な場面だった。セーフティ(バント安打)で(走者が)出られて、少し流れが良よくなかった。あそこで(安打)1本出ていたら、危なかった。(捕球できて)よかったと思います」
打球が落ちれば長打コース。相手に勝ち越し点が入れば、パドレスに大きく流れが傾いたかもしれない場面だった。試合展開として、失点を防いだだけではなく、攻撃へつなげるナイスキャッチだった。カブス打線は直後の六回に2得点、七回に4得点を加点し、試合を決めた。3連敗でストップし、カウンセル監督の通算900勝を飾った。
ワールドベースボールクラシック(WBC)の準々決勝、ベネズエラ戦で負傷した右膝は万全ではない。体調、移動距離、運動量などで痛みを感じることもある。毎日のリハビリと治療を続け、右翼の守備に立ち続けている。守備では、これまで以上に打球に対する一歩目を重視している。
「ケガをしたことで、1歩目の大切さや、スタートを切る前の準備段階の予備動作が自分なりに良くなってきている。できる限り膝に負担がかからないスタートを切るという意味では、現状は守備でいいスタートが切れている。(フライの)落下地点までも速くなっている。落ち着いてプレーできている」
打者のスイングのタイミングに合わせて、少しジャンプして、打球へ反応している。内野手が行う「スプリット・ステップ」は一般的。外野手には『打球方向をしっかりみてから、スタートする』選手もいる。一歩目を重視するあまり、左右と前後で逆を突かれないようにするためだ。鈴木の場合は、ときに真上にジャンプ。あるいは、右翼線方向にスタップを踏むようにスタートするなど工夫している。「この感じかな、という自分の動きやすいやり方で(スタートの動作を)やっています」と試行錯誤を継続中だ。
広島カープ時代は、外野手部門でゴールデングラブ賞を5度受賞した。しかし、メジャー移籍後の2022〜25年シーズンまで守備の評価は低かった。過去4シーズン、「守備で何点分を防いだか」を表す指標「DRS-4」は「4年間合計で平均的な右翼手より約4点分マイナス=4失点をもたらした」という意味だ。さらに「平均的な外野手と比べて、どれだけアウトを増やしたか」を算出した指標のOAA は「-6」。4年間の右翼守備で「平均的な右翼手より6アウト分少なかった」という評価だ。
比較の対象が、複数シーズンと今季の単年になるので正当な比較ではないが、2026年シーズンのOAAは「0」、DRS「+1」。守備機会が4月時点だが、平均的な右翼手のアウト数であり、「1点分、失点を防いだ」という数値が出ている。これをもって、鈴木の守備力が向上した、という断定はできないが、守備力改善の兆候がある、ということはできるのではないだろうか。
用具も改善した。今季はグラブのサイズを昨季より変更。ローリングス・ジャパン社によるとグラブサイズは12.25インチ(約31.1センチ=グラブの人差し指の先端から土手部分の端までの長さ)から、13インチ(約33センチ)にサイズアップした。捕球重視の大型グラブで今季は無失策を続けている。
なお、13インチのサイズは現行ルールで使用できる最大サイズ。身長201センチのヤンキース、アーロン・ジャッジ(34)と同サイズ。ウェブの上部(指先側)は既製品よりも横幅を短くし、グラブが閉じやすく改良しているという。
