ドジャースの大谷翔平(31)が13日(日本時間14日)、ナ・リーグの最優秀選手(MVP)に選出された。エンゼルス在籍時のア・リーグで獲得した2021、23年、ドジャース移籍1年目の2024年に続き、異なるリーグで3年連続4度目の受賞。全米野球記者協会(BBWAA)の記者投票で自身の史上最多を更新する4度目となる、投票記者30人全員から1位票を獲得する満票受賞の快挙だった。受賞回数、連続受賞はバリー・ボンズ(当時ジャイアンツの通算7度、4年連続)に次いで歴代単独2位となった。
MLBネットワークの番組、受賞後に行われた電話会見での主な一問一答は以下の通り。
【MLBネットワークの番組にて、発表前】
――二刀流として復帰した今季を振り返って
「最初の方は(昨季手術した)左肩が回りづらいなという一番不安を抱えていたので、徐々にシーズンが進むにつれて、試合前のマッサージだったり(準備やケア)の時間を短縮できるようになったのが苦労というか、不安があった点かなと思います」
【MLBネットワークの番組にて】
――3年連続MVPはバリー・ボンズしかやったことがなかった。この意味は
「すごく非常に光栄。ソト選手、シュワーバー選手がもちろん素晴らしいシーズンだったので、そういう素晴らしい選手と競い合えたことは、まず良かったなと思います」
――父親にもなって投手復帰もして、ワールドシリーズも連覇。2025年はあなたにとってどんな特別な年か
「ワールドシリーズで勝ったのがまず一番、自分の中で達成というか、素晴らしい出来事だったと思います。その締めくくりとして、自分自身のシーズンMVPをとれたのは非常に大きなことなので、それに対して感謝したいなと思っています」
――投手、もしくは打者として、どちらが一番難しいか
「どちらも同じぐらい、もちろん難しい。今年はリハビリというか、手術から、TJ(トミー・ジョン手術)から明けて、最後のリハビリの年だったので、そこに一番焦点を当てて、もちろん左肩の手術もあったんですけど、そこが一番難しかったと思います」
――2年連続MVPでワールドシリーズ2年連続制覇は、ジョー・モーガン以来
「それはもうチームメートのサポートもそうですし、コーチもそうですし、何よりファンの人たちが、もし僕が引退して先に振り返ったときに、素晴らしい年だったなよなって思う、一つの年になるんじゃないかなと思うので、ドジャースのファンの人たち、チームメート、全ての人たちにとって素晴らしいシーズンだったと思っています」
【電話会見】
<米メディア>
―― バリー・ボンズ以来、 3度以上のMVPを獲得。キャリアの早い年齢で3度。歴史に名を刻んだ
「もちろん光栄なことですし、満票で評価してもらったのは僕としては特別なことなので、 投票してもらった記者のみなさんに感謝します」
――昨年ワールドシリーズの後、「あと9回」と今季は「あと8回」と言っていた。 バリー・ボンズは7度のMVPを獲得したが、 次は何を目指すか
「シーズンのMVPは チームとしてやってきた結果というか、 その先にあるものなので、 結果的に自分がそれだけ良いシーズンを送れればチームが勝てるということ。その先に良い成績が収まっているということは、 MVPをもらえるという考え方。 最初からMVPを目標にすることはないですけど、ケガなく1年間しっかり自分の仕事をやって、 何回も受賞できれば 良いんじゃないかなと思います」
――来季はどれくらい投げられると思うか
「来年はもちろん頭(開幕)からいくつもりでいます。来年のメンバーは、いる人も(移籍などで)いない人もいますが、その中で先発投手として(シーズンを通して先発ローテーションを)回るのが目標ではあります。1年間ケガなく仕事するのが目標かなと思います」
――優勝パレードで「来年もワールドシリーズで勝つ」と宣言したが、その自信はどこから
「(3連覇が)難しいことはみんなが理解していることですけど、勝った今だから、しっかり新たな目標を立てて進んでいくことがチームとして大事だと思うので、難しいことですが、そこにチャレンジしていくのがドジャースの意志かなと思います」
<日本メディア>
――父になり生活リズムが変わり、スケジュールなどの難しさは
「シーズン中の生活リズムは当然、変わるともいますけど家族のサポートもあって極力グラウンドでも集中できる環境もありました。それもあって、生活していく感じでもあった。それは周りの人のサポートに感謝しています」
――ワールドベースボールクラシック(WBC)への参加は現状でどう考えているか
「WBCに関してはまだ、球団を通してというか、個人間ではちょっとやり取りができないので、球団からどうなるか、というまずは連絡を待っている、みんなそういう段階じゃないかな、と思うので、まだこれから先に(出場の可否が)決まっていくことなのかな、と思っています」
――来季、先発投手としての登板間隔はどのように考えているか
「1試合で考えたら、6イニング、7イニングというよりは、普通に考えたら100球を基準にみんな登板スケジュールを組んでやると思う。登板間隔については、(ドジャースの投手陣に)メンバーがどの程度いるかにもよりますし、どの程度メンバーの入れ替えがあるかにもよると思うので一番、目指すべきはポストシーズンでみんなが健康な状態でことしのように(先発ローテーションを)回ることだと思う。そこを考えるのは僕ではなくて、チームの編成だったりとか、現場を指揮する監督であったりとか、ピッチングコーチが(投手陣をマネジメントする)メインになってくるのかな、と思っています」
――シーズン後、今はどのように過ごしているか
「撮影、野球以外の仕事が入っていたりとか。たまに球場にも行きますけど、家でウエートしたりとか、そういう感じでラフめに、というか、シーズンみたいにガツガツはしていないんですけど、去年、おととしみたいに手術がないので普通のオフシーズンというか、ゆったりとしたオフシーズンを過ごしているな、と思っています」
――個人的な次の目標は
「うーん、どうなんですかね。具体的な数字というよりは、まず1年間健康で回れた先にどのくらいの数字が残ったのかな、っていう、そういう目標というより、楽しみみたい感覚の方が強いので1年間、まず(二刀流として)フルで回ってみないことには、分からない、というのもありますし、ここ数年、しっかりと打席では特にそれができているので、当たり前というか(離脱せずに試合に)出続けるのは大変なことですけどそういうところをしっかりやれば、おのずとそういう数字が出てくると思うので、それを目標にするというよりは、楽しみにしたいなと思っています」