大谷翔平が来春のワールドベースボールクラシック(以下WBC)の出場を発表した。
2023年WBCで、日本代表は劇的な勝利を重ね、3大会ぶりの優勝を果たし、大谷がMVPに輝いた。
大谷はこの大会で米国はもちろん、世界の野球ファン、そしてスポーツファンにその存在を知らしめた。投手としては3試合に登板し、2勝1セーブをマーク。大会最多の9回2/3を投げ、37人の打者と対峙して5安打4四死球11三振、わずか2失点に抑えた。さらに打者としても全7戦で3番打者を任され、23打数10安打、打率.435と圧倒的な活躍を見せ、日本を優勝に導いた。
2023年WBCでの大谷翔平のパフォーマンスを、改めて振り返ってみよう。
①一次ラウンド第4戦「看板直撃の先制特大3ラン」
【日本7-1オーストラリア】初回、無死一、二塁の好機で打席に立つと、オーストラリア先発シェリフの2球目のカーブを完璧にとらえ、打球は右翼席後方の広告看板に直撃する特大の3ランとなった。打った瞬間に本塁打と分かる豪快さで、140メートルを飛ばすその一発にスタジアムは大興奮。大谷の一撃が試合の流れを決定づけた。
②準々決勝イタリア戦「最速164キロをマーク&チャンスメイクのバント!」
【日本9-3イタリア】大谷翔平は中6日で先発マウンドに上がり、投打の「二刀流」を披露。4回2/3を投げ、最速164キロの速球で打者を翻弄しながら2失点に抑えた。打撃では三回にバント安打でチャンスを作るなど、攻守で存在感を発揮。チームは大谷の活躍を起点に底力を見せ、イタリアを9対3で下し、5大会連続の準決勝進出を決めた。
③準決勝メキシコ戦「九回にサヨナラ勝利を呼ぶ二塁打」
【日本6-5メキシコ】苦しい試合展開の中、反撃の口火を切ったのは大谷翔平だった。九回、メキシコ守護神ガイエゴスの初球を右中間へ弾き返すと、一塁を回った瞬間にヘルメットを放り投げ、気迫の全力疾走で二塁を奪取。続いてベンチに向かって両手で大きく煽るジェスチャーを見せ、仲間と球場の空気を一変させた。その後、村上宗隆がセンターオーバーの一撃を放ち、大谷が二塁から生還。侍ジャパンは劇的な逆転サヨナラ勝利で決勝へ駒を進めた。
③決勝米国戦「盟友トラウトを空振り三振でV」
【日本3-2米国】大谷翔平は3番DHで先発出場し、打撃では内野安打で出塁するなど攻撃でも存在感を発揮。試合終盤、大谷はベンチとブルペンを往復しながら登板準備を進め、その姿が大きな話題となった。1点リードの九回、DHを解除してクローザーとしてマウンドへ。先頭打者に四球を与えるも、続く打者を併殺に仕留めて危機を脱する。そして最後はエンゼルスの同僚マイク・トラウトを空振り三振に抑え、日本の優勝が決定。投打二刀流の象徴ともいえる劇的な幕切れだった。
【番外編その1】ラーズ・ヌートバーが大谷の打撃を解説
打撃練習でバックスクリーン直撃弾を連発する大谷。ハロルド・レイノルズ氏のインタビューに対し、ヌートバーは「見たことのないレベルの選手」と評し、投手の球速に応じてタイミングを自在に合わせられる点や、腰から先に回転する理想的な身体の使い方によって圧倒的なパワーを生み出していることを強調した。スコアボード直撃級の打球や、折れたバットでもホームランを放つ対応力に驚嘆したと話した。
ヌートバーは最後に、大谷には「できないことがない」と述べ、その唯一無二さを強調した。
【番外編その2】ホームランボールのリレー
一次ラウンドのオーストラリア戦で大谷翔平が放った特大ホームランをキャッチした観客は、喜びを独り占めすることなく、周囲のファンに「よかったら触りますか?」とボールを手渡し。周りの人たちは驚きと笑顔に包まれながら、次々と記念写真を撮影。知らない者同士が一つのボールをきっかけにつながり、会場には温かい連帯感が生まれた。