大谷翔平、5回無安打&50号HRの“二刀流ショー”

September 17th, 2025

ドジャース6-9フィリーズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、9月16日(日本時間17日)

ブーイングに包まれたドジャースタジアムの空気を一変させたのは、やはりこの男だった。

ナ・リーグ東地区王者フィリーズを相手に、大谷翔平が5回無安打ピッチング。4-0とリードしてマウンドを降りたが、その直後、リリーフ陣がまさかの崩壊。ジャスティン・ロブレスキとエドガルド・ヘンリケスが6失点し、わずか数分で試合はひっくり返された。

だが、ここからが「大谷翔平劇場」の第二幕だった。

八回に先頭打者の大谷はカウント0-1からの2球目、113.4マイル(約182.5キロ)のカットボールを強振すると、打球は430フィート(約131m)先の右翼席へ消えていった。2年連続の50号本塁打は、メジャー史上6人目の快挙だ。

この一発でドジャースは1点差に迫り、その後、味方打線も奮起。満塁のチャンスをつくり、アレックス・コールの犠牲フライで同点に追いついた。

まさに「大谷翔平、またか」の一夜だった。

“二刀流力”が爆発

ナ・リーグ東地区王者のフィリーズとの一戦を前に、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「ポストシーズンを想定した良いテストになる」と語っていたが、大谷はその期待に見事に応えてみせた。

大谷は16人の打者のうち15人を打ち取り、初回にはカイル・シュワーバーからスライダーで見逃し三振を奪うなど、5つの三振を記録。四回にはブライス・ハーパーを3球で三振に仕留めるなど、内容も圧巻だった。スイーパー、速球、そして低めのカーブと、配球の妙も光った。

この日の大谷は空振りこそ6つにとどまったが、速球の平均は99.2マイル(約159.6キロ)、スライダーも89マイル(約143キロ)と、どちらもシーズン平均より1マイル(約1.6キロ)速く、全体的に球威が増していた。

MLB初の快挙も達成

この試合で大谷はMLB史上初の偉業、1シーズンで「50本塁打&50奪三振」を記録した初の選手になった。昨年は「50本塁&50盗塁」で「50-50」クラブを作ったが、今季もまた新たに「会員一名」のクラブを作り、まさに「唯一無二」の存在を体現する夜となった。

予定通りの交代だったが…

今季の大谷は5イニングまでという登板制限があり、5回終了後にベンチへ戻る際、ロバーツ監督と短く話す様子が見られた。その後、ロブレスキがブルペンで準備を始めたことからも、登板終了は計画通りだったとみられる。

ただし、交代後に試合が崩れたため、スタジアムではブーイングも飛んだ。とはいえ、その後の大谷の50号本塁打が反撃の口火となり、チームを救う結果となった。しかしドジャースはブルペンがまたもや崩れ、6-6の同点で迎えた九回、ドジャース6番手のトライネンが決勝3ランを許し、フィリーズに連敗を喫した。