左大腿部の肉離れで15日間の負傷者リスト入り(IL)しているカブスの今永昇太(31)が、遠征先のメッツ、シティフィールドでキャッチボールなどで汗を流した。
5月4日のブリュワーズ戦で一塁ベースカバーに走った際に左大腿部を負傷し、「ケガした日は悔しくて眠れなかった。ケガせすにグラウンドに立っているだけで力になれる瞬間がある。ケガしてしまったら職場にいるけれど、何も仕事ができない人みたいな劣等感を感じる」と心の内を吐露した。
スポーツ選手には不測のケガがつきもので、どれだけ準備をしても避けられないこともある。しかし今永の自己評価は厳しい。
「どれだけ準備をしたつもりでもケガをした以上、それはすべて『やったつもり』に変わってしまう。こういう世界に身を置いていくには、(それを)十分理解しないといけない」
復帰時期は未定だが、ケガをした左足をかばうこともなく、普通に歩ける状態で「運動量が落ちてしまうので、(復帰に向けて)左足以外の健康な部分の出力を落とさないように気をつけていきたい」と話す。
今永の母、京子さんも今回のケガを心配している。
「ケガをしないように、といつもそれだけを言われます。今回のケガをとても心配していると思うので、大丈夫だよ、と伝えて安心させました」
今永は兄、姉の3人兄弟の末っ子で、自称「やんちゃ」な子供だったと言う。
「学校に呼び出されるということはなかったけれど、時間通りに家に帰らなかったり、いい子ではなかったですね。母は仕事をしながらよく子供3人も育ててくれたな、と。当時はそういうことは分からなかったけれど、今振り返ると、本当にそう思います」としみじみと語る。
シーズンオフは実家で母親との時間を楽しむ。
「(母の日などに)『何か送ろうか』と聞くと、要らないって言うんです。だから何かをプレゼントをするのではなく、実家に帰った時になるべく外出を控えて一緒に食事をしたり、犬の散歩に行ったり、時間を過ごすようにしています」
なかなかメジャー観戦に来られないお母さんにとっても、息子との時間は楽しいものに違いない。しかし親孝行をしようと張り切りすぎて率先して食器洗いをした際、犬の食器も一緒に洗ってしまい、「母にもうやらないでいいから、と言われました」と今永。
実家での親子のほのぼのとしたやりとりが目に浮かぶ。
いずれにせよ今の最大の親孝行は、元気に登板する姿を見せることだ。しっかりケガを治して、マウンドで勇姿を見せてくれる日を楽しみに待ちたい。