【ピッツバーグ(ペンシルベニア州)】
スティーブン・コレックはメジャーリーグのマウンドに不慣れではない。しかし、42試合のリリーフ登板を経て、5月4日に行われた自身の初めての先発登板は、キャリアの新たな一章を意味していた。
テキサスA&M大学から2018年のMLBドラフト11巡目でドジャースに指名されたコレックは、パドレスの信頼されていた投手陣にケガが相次いだため、先発のチャンスを得た。
28歳の右腕は、そのチャンスを最大限に活かし、パドレスは4-0でパイレーツに勝利し、PNCパークでの3連戦をスイープで締めくくった。コレックは5回1/3を投げ、4安打無失点、2四球、4三振を奪い、わずか84球で役目を果たした。
「(先発とリリーフでは)ちょっと違うね。でも、同時に僕にとっては、まるで再デビューのような感じだった。やったことがないことを初めてやったから。新しい都市で、新しいチームと対戦して、違う仕事をした。だけど、すごく楽しんでやれたよ。きょうはすべてうまくいったから、素晴らしい日だね」
コレックは、最初の打者、クルーズを三振に取った後、一回を9球で終えた。これが唯一の三者凡退となったが、その後もピンチをうまく切り抜けた。
パドレスの打線は、二回までに4得点。ボガーツが2安打で3打点を挙げ、コレックを援護した。コレックは六回1死から四球を出した場面で降板した。
「良かったよ。うん、すごく良かった」とパドレスのマイク・シルト監督は言った。「5回以上投げて、ストライクゾーンをしっかりコントロールしていた。球に力があったし、早いボールカウントからアウトを取ってくれて、すごく良い仕事をしてくれた」
コレックは二回1死で二塁打を2本打たれたが、フレイジャーを三振に取った後、ヘイズを二塁でアウトにしてピンチを切り抜けた。三回1死でランナーを二塁に進めたが、クルーズとレイノルズを連続三振とし、またピンチをしのいだ。四回には先頭打者にヒットを許したものの、バルデスをフライアウト、ヘイズをダブルプレーで仕留めて、この回も無失点で切り抜けた。
「最初からできるだけゼロを積み重ねようという気持ちで投げていた」とコレックは言った。「もちろん、二回までに4点を取ってもらったのは大きな安心材料だけど『ああ、もう少しリラックスしても大丈夫だろう』なんて思わないようにしていた。0-0の試合のように、まだゼロを積み重ねるつもりで投げ続けた」
これでパドレスは5連勝を達成した。
「出場できて、このチームを助けられたのは良かった。このシリーズの最終戦を勝って終われたのは最高だ」
コレックはマイナーリーグで6シーズンにわたって149試合に登板し、26勝26敗、防御率4.62を記録している。2019年から2022年にかけてドジャースとマリナーズのマイナーで先発としても登板していたが、2024年にルール5ドラフトでパドレスに移籍し、リリーフに専念していた。
2024年シーズンは7月下旬に右前腕の腱炎を患い、シーズンを終えることとなった。当時、コレックの42登板はパドレスのリリーフ投手陣で3番目に多かった。
その後、組織はコレックを先発投手に戻すことを決定した。コレックは、シーズン序盤に3Aエルパソで全ての球種のコントロール向上に取り組んでいたと話していた。シンカー、スライダー、フォーシーム、チェンジアップの全てをメジャーリーグレベルで通用できるように取り組んできたと述べている。
コレックは春季キャンプとオープン戦でそのポテンシャルを発揮。5試合で防御率2.60、12奪三振を記録した。そのうち3試合はメジャー相手のオープン戦での先発だった。今シーズン、3Aでは5試合で防御率6.38ながら、奪三振と四球の比率は20:4だ。
「このリーグで5イニングを投げるのは全く別のゲームだよ」とコレック。「何度も対戦するのでどんどん(攻めることが)難しくなっていく。メジャーリーグで初めてそれをやったけど、幸い成功したし、すごくワクワクした。またやるのが楽しみだよ」
