1次ラウンドで敗退したが、日本のスラッガーが出場した意義は大きい。
「一回は出てみたいと思っていた」
「すごく緊張しました。9本じゃ無理だな、と思いました。楽しかったです」
敗退したものの、最長飛距離は466フィート(約142メートル)。シチズンズバンクパークの最上階に届きそうな大きなアーチを放った。
そして、一つの願いを抱いた。
日本選手が一人ではなく、複数人、出場する日がきてほしい。いま、現役の日本人メジャーリーガーたちは、出場する“資格”はあるはずだ。そして、日本選手が優勝する日が、そう遠くない将来にきてほしい。
一つの指標として「平均打球初速」の自己ベストを取りあげ、MLB内で上位何%に位置するかを以下に示す。日本野手がMLBでも力負けしないことを表している。
日本が誇るパワーヒッターたちは、メジャー全体でも上位に入る。特に大谷と村上は、並み居る猛者たちのあるまるメジャーリーグでトップクラスの数値だ。
岡本はメジャー1年目の前半戦を終え、日本選手のルーキーイヤーの最多本塁打(2018年大谷)に並ぶ22本を打った。
鈴木は昨季、日本選手としてメジャーで初めて30本塁打以上を放った(32本)。
HRダービーは、オールスターの前夜祭。パフォーマンスやショーとしての側面が大きい。そして、球団や選手の代理人としては、決して歓迎すべきイベントではないかもしれない。負傷のリスク、体力的な負担、打撃フォームを崩すなどリスクは多い。それでも「ホームランダービー覇者」の称号は、スラッガーとしての箔がつくことは確かだ。
昨季まで選手の体力的負担が大きかった時間制から、スイング制に変更されたルールも出場を後押しできるかもしれない。近い将来、アーロン・ジャッジ、カイル・シュワーバー、ヨルダン・アルバレスらとともに大谷や村上もHRダービー参加者として加わる。そんな期待を抱いた。
負傷を心配して出場しないでほしい、と願うファンもいるはずだ。その選手の所属チームでの活躍を願うからこそ、の思いも理解できる。ただ、一年に一度のお祭りで野球の華といわれるホームランで日本選手が主役になる未来を(個人的には)夢見たい。
今、日本から海を渡るスラッガーは、メジャーで力勝負できる。世界基準のスピードとパワーに対抗できる選手たちが存在する。
来季(労使交渉がまとまれば)、あるいは再来年。複数の日本選手がHRダービーで“主演”する日を願っている。
