前田健太、楽天が移籍先最有力、2年総額4億円以上超

November 20th, 2025

日本プロ野球、楽天イーグルスが米球界から日本球界に復帰する前田健太(37)に出来高を含む2年総額4億円以上のオファーで移籍先の最有力候補になっていることが20日、球界関係者の話で分かった。マエケンは10月上旬に帰国後、主に東京都内で自主トレ中。最終決断のときは、近い。

前田は広島カープからポスティングでメジャー移籍を実現。2016年からドジャース、ツインズ、タイガースでメジャー9年を過ごした。今季は5月にタイガースからDFA(メジャー40人枠を外れる措置)となり、その後は主にカブスとヤンキースのマイナー3Aで過ごした。巨人なども参加した争奪戦で楽天が、獲得レースをリードしている。

「(マイナーでの)最後の1、2カ月はここ数年で一番自信のある状態だった。(右肘の)手術が終わってから、23年、24年と比べても今の方がいい」

5月にカブス傘下3Aアイオワに移籍。フォーム修正に着手し、復活を期した。体を縦に使うフォームを取り戻し、直球の球威が戻った。最速は94.4マイル(151.9キロ)をマーク。中4〜5日の登板間隔で負傷することなく、安定して先発ローテーションを回った。日本球界復帰はタイガースと2年契約を結んだ2023年オフの時点で決めていた。米球界で10年を過ごし、現役生活の最終章は日本で過ごす。

米球界関係者によると「いくつかのオファーがあったようだが、楽天の熱意が強かったようだ」と明かした。巨人が1年契約の提示に対して、楽天は2年の複数年契約を提示。出来高を含めると総額4億円以上の好条件をオファーした。メジャーに移籍する2015年まで8シーズンを過ごした古巣、広島への愛着はあった。しかし、広島はチーム事情などさまざまな理由から正式なオファーは見送ったようだ。楽天は2013年以来のリーグ優勝を目指す熱意を前田に伝え、条件面でも誠意を示した。

楽天は来季、13年ぶりのパ・リーグ優勝と日本一を目指す。今季は2ケタ勝利投手と規定投球回に到達した投手はいなかった。先発ローテーション投手の強化を狙うチームにとって、日米での実績は十分でマイナーで完全復活した右腕は、補強ポイントに合致している。

先発の中心として投手陣を引っ張るだけではなく、来年4月で38歳を迎えるベテランとして若手の指導役としても期待がかかる。知識と経験を後輩たちに伝える役割は異国でサバイバルした前田にはふさわしい役割だ。

「もうほとんどすべてのことを経験しました。トレード、フリーエージェント、マイナーや、オプトアウト(契約破棄)、フォームや調子を崩してから、どう復調したのか、も含めて。先発もリリーフもやりましたからね。だから、そういう経験は伝えられると思います」

メジャー通算226試合、2度のワールドシリーズ出場を含むポストシーズンでは27試合登板。日米通算200勝まであと35勝も現役でのモチベーションだ。

新天地を決める際の条件は「どれだけ必要としてくれるか、を一番大切にしたい」と話していたマエケン。11年ぶりに日本球界に復帰する。心機一転、新たなホームは仙台になるのか。決断は、間もなくだ。