MVP大谷とジャッジ、トルピードバットへの反応は

ヤンキースはチーム打撃が大幅向上

April 4th, 2025

開幕から「トルピード(魚雷)」バットの話題であふれている。

火をつけたのはヤンキースでブリュワーズとの開幕3試合で15本塁打、36得点という数字を叩き出した。そのうち新型、旧型を含めた「トルピード」バットから生まれた本塁打は9本。チザムJr.(3本)、ボルピー、ウェルズ(それぞれ本塁打2本)ベリンジャー、ゴールドシュミット(1本ずつ)から大きなアーチが生まれた。

トルピードバットはボーリングのピンのような形が特徴で、バレルは打者の手に近い位置にあり、ベリンジャーは「重量が手に近いように感じるため、バットが軽くなったように感じる。それが最大の利点」と語る。

多くの選手がトルピードを使用しているヤンキース打線は、ハードヒット率(打球速度が95マイル以上の打球割合)が昨季比で3.9%、バレル率(最適な角度と速度の打球割合)も8.5%、打球速度も0.6%上昇しているほか、打球の打ち上げ角度も8.4%上昇しており、打撃そのもののアプローチをチーム全体で行っていることがうかがえる。

開幕から数試合なのでデータとしては不十分だが、ボルピー、ジャズともにバットスピード、打球速度は昨季よりも上がっている。

トルピードを使っているのはヤンキースだけではない。

メッツのリンドア、レッズのデラクルーズ、オリオールズのラッチマン、フィリーズのボームなどリーグの好打者たちも名を連ねる。ヤンキースとオリオールズは新型バットをチームの打撃ラボでテストしているほか、バットを製造したMarucciとVictus社には問い合わせが殺到している。今後、両チーム以外のチームはもちろん、プロアマ問わず試す選手が増えていくだろう。

一方で、昨季MVPのアーロン・ジャッジは「トルピードを振ったこともなく、今後も試す予定はない」と明言し、「今までの成績がこれまでの自分を物語っているから」と新型バットの使用には否定的だ。もう一人のMVP大谷翔平は将来的な使用の可能性を残しつつ、現在のバットを継続して使用すると話している。トルピードバットは先端に行くほど細くなるため、外角球のハードヒットが難しくなる。ジャッジや大谷のような長身選手には有利に働かない可能性もある。

ジャッジは「キャリアを重ねていく上で何かを失い始めたら、そういった新しいものを加えることもあるかもしれないけれど、今はこのままでいいと思う」と話すように、ジャッジや大谷がバットを持ち替えるのは「新たな変化」を求める時になる。

いずれにしても開幕からのトルピード論争はしばらく続きそうだ。