全米野球連盟と全米州立高校協会連盟(NFHS)は7月9日(日本時間10日)、使用バットの重さについて新基準を発表した。
「BBコア(木製バットに近い反発力を持たせる金属バット規格)」でマイナス3のパフォーマンス基準を採用し、高校野球で許可されるバットのドロップウェイト(バットの長さのインチ数値から重さのオンス数値を引いた値。数字がゼロに近いマイナス3は重く、マイナス6は軽くなる)をマイナス4、マイナス5、マイナス6まで拡大することをNFHS規則委員会が承認した。
【ドロップウェイトはバットの重さ(オンス)から長さ(インチ)を引いた数値で、マイナスの数字が大きいほど軽くなる。長さ32インチ(約81センチ)の場合、マイナス3の重さは29オンス(約822グラム)だが、マイナス6は26オンス(約737グラム)となり、1オンス(約28グラム)ずつ軽くなる。今回の規定変更は、筋力が未発達な高校の新入生がいきなり重いバットで苦戦する事態を防ぎ、発育段階に合わせて軽いバットから段階的に移行できるよう選択肢を広げる狙いがある】
現在承認されているBBコアバットは、高校野球において今後も無期限で使用可能となる。2028年以降、高校の選手たちは新しいUSA BBコアマーク、またはUSAバットのマイナス4、マイナス5、マイナス6のマークが付いたバットも使用できるようになる。最新のUSA BBコアマークが付いたバットは、2027年7月に市場へ投入される見込みとなっている。
全米野球連盟は、NCAA(全米大学体育協会)からBBコア基準の管理を引き継ぎ、既存のUSAバットプログラムの下にUSA BBコアという新たなカテゴリーを導入する。少年野球から大学レベルまで選手を育成する、全米野球連盟で一貫した基準が構築される。
「NFHS(全米州立高校協会連盟)規則委員会が高校レベルで許可されるドロップウェイトの選択肢を拡大する決定を下した事実は、より多くの選手を野球に留まらせ、選手たちの長期的な成長を支援する上で重要な前進となる」
全米野球連盟のジョン・ゴール会長(48)はそう述べた。
「高校野球に入った多くの選手が、いきなりマイナス3というドロップウェイトへの移行に(バットが重いために)苦戦し、野球をやめてしまった例がたくさんある。今回のルール変更は、時間をかけて筋力をつけ、動作を洗練させ、バットスイングのスピードを高め続けるための柔軟性をもたらすだろう」
「NFHS(全米州立高校協会連盟)は引き続き、高校生の成長と育成を促進することに尽力していく」とNFHSのスポーツ・認可・学生サービス部門のディレクターを務めるエリオット・ホプキンス氏は話す。
「国内におけるNFHS(全米州立高校協会連盟)の4番目に大きなスポーツとして、野球は様々な能力レベルの生徒からの関心と参加を集め続けている。全米野球連盟のBBコア基準の採用と利用可能なドロップウェイトの選択肢の拡大は、教育の一環としてのスポーツに求められるリスクの最小化とパフォーマンス基準を維持しながら、より若く発展途上の選手たちに適切な動作、自信、そしてスキルを構築するさらなる機会を提供する」
NFHS(全米州立高校協会連盟)は2012年以降、高校の試合でBBコア基準のバット使用を義務付けている。BBコア基準の管理を全米野球連盟が引き継ぐ一環として、同組織はNFHSと協力し、新たな名称を反映させるためルールを改定した。その際、全米野球連盟は、USAバット(少年野球のバット規格)とBBコアで共通するパフォーマンス基準や、USAバットプログラムの成功、さらに少年レベルでの選手育成への効果を挙げ、許可されるドロップウェイトの拡大を提案した。
USAバット(少年野球のバット規格)とBBコアは反発力が同じで、どちらも木製バットに近い性能を備えている。そのため、今回の規定変更で高校野球のバット性能基準自体が変わるわけではない。より軽いバットが選択肢に加わることで、高校生の選手たちも自身の筋力や発育に合わせて段階的にステップアップする育成プロセスを活用できるようになる。2018年にUSAバット(少年野球のバット規格)が導入されて以降、少年野球で実践されてきた育成モデルを高校年代にも広げていく取り組みとルール変更だ。