マウリシオ・ポチェッティーノは、ワールドカップで米国代表を率いる存在として認知され始めたため、最近では自分が今も「100%アルゼンチン人」だと訂正しなければならないほどだった。
だがこの日、アルゼンチン人指揮官は古き良きアメリカをまた一つ体験した。Tモバイルパークで行われたマリナーズ対ブルージェイズ戦の始球式を務め、ホリデーウィークエンドの重要な一戦に向けた幕を開けた。
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6日(日本時間7日)、ポチェッティーノ率いるチームはワールドカップのラウンド16で、期間限定でシアトルスタジアムと呼ばれている会場でベルギーと対戦する。米国が男子ワールドカップで準々決勝に進出したのは、1930年以降で一度しかない。とはいえ、男子代表はシアトルでの通算成績が7勝0分0敗と完璧だ。
6月19日にもシアトルでオーストラリア戦を戦ったが、その時とは違い、今回はチームが早めに現地入りした。前回はロサンゼルスの拠点から到着したのが試合前日だったが、今回は週末を使ってワシントン大学で練習する時間を確保し、さらにマリナーズ戦を観戦する機会も得た。
この日の朝、ワシントン大学のハスキーサッカースタジアムで、ポチェッティーノはグラブを手に練習していた。高校時代に野球をプレーし、エンゼルス戦で始球式を務めた控えGKマット・ターナーが、投球フォームについていくつか助言を送った。
そして、いよいよ本番。試合前には米国代表関係者およそ70人が集まり、全選手も参加した。選手たちは一人ずつ紹介され、レッドカーペットを歩いて内野へ入った。キャプテンのクリスチャン・プリシッチとGKマット・フリーズに大きな歓声が送られたが、最も大きな声援を受けたのは、マリナーズお馴染みのトライデントを手にして登場したシアトル・サウンダーズでプレーするクリスチャン・ロルダンだった。
最後に、マリナーズのユニフォームを着たポチェッティーノ監督がフィールドに登場し、シアトルのダン・ウィルソン監督へストライク投球を届けた。この日まで野球のボールに触れたことがないとうわさされていた人物としては、悪くない投球だった。
その後、マリナーズの選手たちがフィールドに出て、代表チームと集合写真を撮った。そしてポチェッティーノはマイクを取り、短く言葉を述べた。
「シアトルは素晴らしい街であり、サッカーの街だ。本当にありがとう」
選手たちがフィールド上で写真を撮る中、最後は大きな「U-S-A」コールに包まれた。そして今大会でチームの勝利のアンセムとなっているジョン・デンバーの「カントリー・ロード」を全員で歌った。
ポチェッティーノ監督とサッカーアメリカ代表の来場、そして間近に迫る祝日も重なり、この日のブルージェイズ戦はいつも以上の熱気に包まれた。もともとブルージェイズが毎年T-モバイル・パークに乗り込んでくるこのシリーズは、バンクーバー周辺をはじめとするカナダ人ファンが国境を越えて大挙してくるため、一種の“カナダ襲来”の様相を呈するのがお決まりとなっている。
そこに「ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)の再戦」という因縁のストーリーも加わったことで、スタジアムはこれ以上ないほどの熱気に包まれた。
もっとも、歴史的な快進撃を狙うポチェッティーノとアメリカ代表にとって、大騒ぎされるのは慣れっこだ。
