積極補強のオリオールズ、次はいよいよエース獲得か

ウォード獲得で打線、ヘルズリー獲得でブルペンを強化

November 30th, 2025

オリオールズは今オフに入り、最も活発な動きを見せているチームの1つだ。まず、エンゼルスからトレードテイラー・ウォードを獲得して打線を強化。29日(日本時間30日)にはフリーエージェント(FA)のライアン・ヘルズリー合意したことが明らかになり、クローザーも確保した。低迷した今季から巻き返し、激戦のアメリカン・リーグ東地区を勝ち抜くために、今後どのように補強を展開していくのだろうか。

まだ重要な補強ポイントが残っている。それはエース級の先発投手の獲得だ。昨オフ、オリオールズはエースのコービン・バーンズがFAで移籍したにもかかわらず、チャーリー・モートン菅野智之を獲得するにとどめ、バーンズに代わるエースの補強は行わなかった。「エース不在」はチームの大きな弱点となり、昨オフの戦略ミスが低迷の要因の1つとなったことについては疑いの余地がない。

今オフのFA市場は絶対的エースと呼べるような先発投手は不在だが、ディラン・シースがブルージェイズと合意したあとも好投手が多く市場に残っている。フランバー・バルデスレンジャー・スアレスマイケル・キングらはいずれもオリオールズの補強ターゲットとなる可能性がある。また、ポスティング移籍を目指す今井達也に興味を示していることも報じられている。

トレード市場に目を向ければ、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)、フレディ・ペラルタ(ブルワーズ)、ジョー・ライアン(ツインズ)、サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)といった好投手たちに移籍の噂がある。場合によっては、2年連続サイ・ヤング賞のタリック・スクーバル(タイガース)も市場に出てくるだろう。若手野手の層が厚いオリオールズがトレードによるエース獲得に動いても不思議ではない。

2023年から2年連続でポストシーズン進出を果たしたオリオールズだが、比較的静かなオフシーズンを過ごしたあと、今季は75勝87敗と低迷した。今季、ア・リーグ東地区からはブルージェイズ、ヤンキース、レッドソックスの3チームがポストシーズンに進出。レイズも毎年侮れない存在であり、来季もメジャー屈指の激戦区となるのは確実だ。オリオールズは2年ぶりのポストシーズン進出を目指し、昨オフとは対照的なアプローチで積極的な補強に動いており、エース獲得の行方も含め、今後の動向が注目される。