オリオールズのメイヨ、初打点も乱闘寸前

May 31st, 2025

時に、野球が「接触スポーツ」であることを思い出させる瞬間がある。土曜日に行われたオリオールズとホワイトソックスの一戦(オリオールズが4-2で勝利)では、四回裏の走塁プレーが発端となり、両軍のベンチが一触即発の事態となった。

2死二塁の場面で打席に立ったのは、試合前に昇格したばかりのオリオールズの有望株2位(全体17位)コビー・メイヨ。レフト前に鋭い打球を放ち、これがメジャー22試合目での初打点となった。

しかし、送球の間に二塁を狙ったメイヨは間に合わず、挟殺プレーに。二塁手のレニン・ソーサとすれ違うタイミングで交錯し、背中から芝生に倒れこんだ。交錯のシーンはよく見ると、メイヨがわざとぶつかりに行き、走塁妨害を狙ったようにも見える。

これに対して、ソーサと一塁手のミゲル・バルガスが少し呆れたリアクションを見せると、審判がアウトの宣告をする中で3人の間で口論が始まり事態はヒートアップ。二塁塁審のネスター・セハが間に入るも、メイヨがソーサを小突いたのをきっかけに両軍ベンチが飛び出す騒ぎとなった。

幸い、両軍選手の冷静な対応により事態はすぐに収束。それ以降、通常通り試合が続行された。メイヨにとっては色々な意味で忘れられない初打点となっただろう。

以下に、両チームの監督および、選手たちのコメントを記載する。

オリオールズ暫定監督 トニー・マンサリーノ:

彼(メイヨ)が積極的に次の塁を狙ったことは良かった。(本塁への)送球は低かったし、相手はそれをうまくカットして(一、二塁間での)挟殺プレーに持ち込んだ。

メイヨは本塁でのプレーがもっと際どいタイミングになると判断したのだろう。彼はまだメジャーのスピードに慣れていないから、こういった判断になったのだと思う。

彼は内野手だから、春季トレーニングでは、挟殺プレーで『ライン(ランナーの走路)を越えるな』と繰り返し教えられている。(走者に確保された走路の内側で)走者が内野手と接触すれば走塁妨害となり、走者は自動的に次の塁を得ることになるからだ。

だからこそ反射的に、メイヨは故意に接触を試みたのだと思う。確かに、見た目としては良くなかったかもしれないが、多くのコーチは悪くないプレーだと判断するはずだ。今回はうまくいかなかっただけで、審判の判定は妥当だったと思うよ。

ホワイトソックス監督 ウィル・ベナブル:

そこまで大ごとだったとは思っていない。おそらくメイヨが走塁妨害を狙ってプレーしただけで、ソーサとしては故意に当たりに来られたのが不快だったのだろう。でもまあ、そんなに大したことではない。

このチームは団結していて、互いに支え合っている。何よりも誰もケガせず、トラブルに巻き込まれないことが大事。チームのみんなは、うまく対応してくれたと思う。

コビー・メイヨ:

二塁に進んで得点圏に行きたかっただけだ。(相手の)中継プレーで挟まれた。マイナーリーグでは挟殺プレーではなるべく粘れと教えられてきた。自分では走路内にいたと思っていたし、意図的に接触を狙ったところはある。結果的にそうなってしまったけれど、事態をエスカレートさせるつもりはなかった。

みんな常に仲間を守る、互いのために戦うと思ってる、文字通り(乱闘)の意味じゃなくてね。でも、みんなが仲間の背中を支えているんだ。チームメイトのことを思ってるからこそ、今回みたいなことになったし、同じことが起きたら同じように(チームメイトを)守るよ。

ジョシュ・ロハス(三塁手):

相手がベースライン(走路)から出てきて、走塁妨害を狙ってたんだ。ソーサが彼に何か言ったら、彼がソーサを少し押したんだよ。だから、俺も軽く押し返した。ソーサにタダで手を出させるわけにはいかなかっただけで、もう大丈夫だ。

レニン・ソーサ(二塁手):

彼はちょっと汚いプレーをしようとしたと思う。それで自分は、どうしてそんなことしたのかを聞こうと近づいたら、彼に押されたんだ。でも僕たちは、みんなでお互いを守ってる。そういうチームなんだ。もしケンカになるなら、みんなで一緒に戦うよ。