3年連続でポストシーズン進出を逃したカージナルスは、長きにわたってフロントオフィスのトップを務めたジョン・モゼラック編成本部長が今季限りで退任。新しく就任したハイム・ブルーム編成本部長のもと、本格的なチーム再建に突入している。
オフシーズンに入り、まずエース右腕のソニー・グレイをレッドソックスへ放出。その後、名捕手ヤディアー・モリーナの後継者として2023年シーズンから5年契約で加入し、今季から一塁手にコンバートされたウィルソン・コントレラスを契約があと2年残っている状態でまたもレッドソックスへ放出した。ブルーム編成本部長にとって、レッドソックスは2020~23年にチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)を務めた古巣。自身が獲得した有望株も多く、よく知る球団と2件のトレードを成立させることでチーム再建への第一歩を踏み出した。
カージナルスは今後、主力選手のさらなる放出が予想されている。トレード候補として名前が挙がっているのは、オールスター二塁手のブレンダン・ドノバン、日本でもお馴染みのラーズ・ヌートバー、スター三塁手のノーラン・アレナド、セットアッパー左腕のジョジョ・ロメロらの選手たちだ。
ジ・アスレチックの報道によると、カージナルスはドノバンのトレードについて、レッドソックスと交渉を行っているという。28歳のドノバンはメジャー4年目の今季、118試合に出場して打率.287、10本塁打、50打点、出塁率.353、OPS.775を記録。レッドソックス以外にも複数のチームから関心を寄せられているが、グレイ、コントレラスに続き、またもカージナルスの主力選手がレッドソックスへ移籍することになるかもしれない。
ヌートバーにはドジャースやメッツ、ロメロにはヤンキースやオリオールズが興味を示していることが報じられている。また、昨オフにアストロズへのトレードを拒否したアレナドは今オフもトレードの噂が絶えず、チームが本格的な再建に突入する中、トレード拒否権を破棄することに前向きとみられる。
カージナルスはアレナド放出に成功すれば、ノーラン・ゴーマンやトーマス・サジェシーといった若手に出場機会を与えることが可能になる。また、2024年ドラフト1巡目(全体7位)指名の有望株JJ・ウェザーホルトのメジャー昇格も迫っており、年俸の一部を負担してでもアレナド放出を実現したいはずだ。
ブルーム編成本部長の「カージナルス再建計画」はまだ始まったばかりだ。誰を放出し、どのように再建を進めていくのか、今後の動向が注目される。