カブスの今永昇太(33)が4日(日本時間5日)のマーリンズ戦に先発し、6回3安打1失点、無四球、4三振。94球を投げて9勝目(10敗)を挙げ、防御率を3.91とした。中6日で11日(同12日午前3時20分開始)のパイレーツ戦で29度目の先発に臨み、10勝目(10敗)を目指す。
直前4先発は17回2/3で被本塁打8本、自責点14、防御率7.13。一発に苦しんでいた左腕が、今回は被本塁打ゼロ。ベースボール・サバントの投球チャートを直前4登板と比較すると、球種配分に明確な変化があった。
【直前4先発 → マーリンズ戦】
- フォーシーム 44.0% → 30.9%(13.1%減)
- スプリット 33.9% → 44.7%(10.8%増)
- スイーパー 16.2% → 18.1%(1.9%増)
直前4登板ではフォーシームが最多だったが、マーリンズ戦ではスプリットが44.7%で最多。フォーシームを大幅に減らし、配球の中心をスプリットへ移した。
配球変更は結果にも直結した。MLB.comによると、今永はスプリットで3三振を奪い、同球種の空振り率は53%をマーク。全投球でも空振り率41%を記録し、メジャー通算で4番目に高い。カウンセル監督も試合後、この日はスプリットを多く使う予定だったと明かしており、配球の変化は偶然ではなく、明確なゲームプランだった。
一方、フォーシームの平均球速は91.7マイル(約147.6キロ)。球速が急上昇したわけではない。カウンセル監督は前回登板では序盤から力を入れて速球を投げたことで、その後に影響した可能性を指摘したが、今回は試合を通して球速を維持できたと評価した。
投球コースにも注目したい。
マーリンズ戦ではフォーシームがストライクゾーン上部から高め、スプリットがゾーン下部から低めに集まっている。ただ、この高低差自体は被弾が続いた8月17日のホワイトソックス戦、23日のマリナーズ戦でも確認できる。
つまり、9月4日に制球が突然大きく改善したわけではない。明確に変わった部分は、高低差を作る2球種の使用割合だった。
今永の基本は、高めのフォーシームと似た軌道から沈むスプリットの組み合わせ。今回はフォーシームを44.0%から30.9%まで減らし、スプリットを33.9%から44.7%まで増やした。打者にとってフォーシームに狙いを絞りにくい配球となり、長打を狙った強いスイングをすれば、空振りや凡打のリスクも高まる。配球の軸になる球種を入れ替えたことが、被本塁打0本につながった要因の一つと考えられる。
ただし、被本塁打の課題が完全に解消したとは言えない。4日のマーリンズ戦では六回にはヘリベルト・ヘルナンデス(26)に91.6マイル(約147.4キロ)のフォーシームを捉えられ、打球速度104.9マイル(約168.8キロ)、飛距離409フィート(約125メートル)の大飛球となった。中堅ピート・クロウ=アームストロング(24)が、フェンス際でジャンピングキャッチのファインプレー。フェンス直撃の長打を防いだ。
直前4登板では、数球の失投が本塁打につながっていた。マーリンズ戦ではフォーシームを減らし、スプリットを増やす配球変更によって長打のリスクを抑えた。今後も配球割合など工夫と対策を繰り返しながら、本塁打を防ぎ、勝利に貢献する投球を目指す。
カブスは9日(同10日)、同地区のライバルで中地区1位を走るブルワーズに6−8で敗れ、3連敗、6日(同7日)のマーリンズ戦を含めて4連敗中だ。今永には、連敗ストップにつながる投球が期待される。
カブスは各地区2位以下の勝率上位3チームがポストシーズンに進出できるワイルドカードでは2位につけている。
