中0日登板の山本、2025年ワールドシリーズMVP

WSで3勝をあげたのは2001年のランディ・ジョンソン以来

November 2nd, 2025

ドジャース5-4ブルージェイズ】トロント/ロジャースセンター、11月1日(日本時間11月2日)

ワールドシリーズ第7戦は、信じられないような幕切れとなった。試合を通して劣勢だったドジャースが九回に同点に追いつき、延長11回にウィル・スミスの本塁打で5-4の逆転勝利。1998〜2000年のヤンキースが3連覇して以来、25年ぶりの連覇を達成した。そして、この勝利の立役者であり、チームの大黒柱である山本由伸(27)が、ウィリー・メイズ・ワールドシリーズ最優秀選手賞(MVP)を受賞した。

今ポストシーズンで大舞台での強さを改めて発揮した山本は、前日の第6戦で先発した24時間後に、第7戦の最後2回2/3を無失点で締めくくった。シリーズ第2戦では、強力なブルージェイズ打線を相手に8三振、4安打の完投勝利。ナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦(対ブルワーズ)に続く2試合連続の完投を果たしていた。

山本は、今シリーズで、計3試合に登板し(2先発)、防御率1.02、投球回17回2/3、10安打、2失点、2四球、15三振、WHIP0.68、そして3勝。ワールドシリーズで3勝を挙げた投手は、2001年のランディ・ジョンソン(ダイヤモンドバックス)以来の快挙となった。

山本は2024年にメジャー入りして以来、中4日で登板したことすらなかった。しかし今回は中0日で登板し、ドジャースに再びタイトルをもたらした。山本は2023年12月、投手史上最長&最高額の12年総額3億2500万ドル(約480億円)の契約で加入している。

シリーズ第3戦の18回に及ぶ死闘の終盤、ドジャースのダグアウトから衝撃的な光景が映し出された。完投からわずか2日後、山本がデーブ・ロバーツ監督に自ら申し出て、ブルペンで肩を作り始めたのだ。

がけっぷちで迎えた第6戦でも、山本はチームを救った。96球で6回1失点に抑え、チームを勝利へ導き、シリーズを第7戦へとつなげた。

そして、山本は第7戦でさらに、周りの予想と期待を超えた。九回のマウンドで上がった右腕は、死球で満塁のピンチを招くも、ドールトン・バーショを本塁で封殺、続くアーニー・クレメントを外野フライに打ち取り、この危機を見事に切り抜けた。