ダルビッシュ、前半戦での復帰に希望

3イニングで打者14人、51球、MAX94.5マイル

June 25th, 2025

レーク・エルシノア(カリフォルニア州)、6月25日(日本時間26日)

右肘の炎症で開幕から負傷リスト(IL)入りしているダルビッシュ有(38)がマイナー傘下1Aのレーク・エルシノアを訪れ、シミュレーションゲームに登板した。3イニングを想定し、1イニングごとに球数を管理しながら、合計14打者に51球を投じ、安打性の打球は1本のみだった。最速は94.5マイル(152キロ)をマークした。

岩山に囲まれた小さな球場。ダルビッシュは、パドレス傘下の若手選手へ試合形式の投球に臨んだ。5月14日に3Aでのリハビリ登板後に右肘の状態が停滞し、メジャー復帰が白紙になってから、3度目の実戦マウンドだった。

「肘はだいぶ段階的に良くなってきている感じはしますね。変化球もきょうは良かったです」

1インング目は15球、2イニング目は18球、3イニング目は18球。試合を想定して、イニング間は5〜6分のインターバルを設定した。走者を一塁や一、二塁に置くなどセットポジションの投球ではクイックを入れるなど試合をイメージした。

「だいたい全部(変化球は)投げました。カッター、スライダー、スイーパー、スプリット、チェンジアップ、カーブ、ナックルカーブ。いろいろ投げましたね」

球種が多く、フィンガーサインが複雑になるため、ダルビッシュがジェスチャーで捕手に球種を伝えた。その際、打者には下を向いて、球種が分からないようにして対峙してもらった。右打者3人、左打者1人のマイナー選手たちが交代で打席に入り、合計14打者をシミュレーションした。右打者にレフト前ヒットの1安打のみ。5三振、1四球だった。

「やっぱりうれしいですよ。ピッチャーなので。生まれて7歳から勉強とかみなさんがやってることをやらなく、ずっと野球だけやってきてるので、それがなくなった時はやっぱりすごく(メンタル的に)難しくなりますから。やっぱり投げて、やっと安心するってとこはありますね」

今後はシンシナティーに遠征するチーム本隊に合流し、首脳陣とミーティングしてから今後のスケジュールを決める。登板後の右肘の回復が順調で中5日のローテーションを回るような調整ができれば、前半戦のメジャー復帰がみえてくる。

「もちろんそうなれればいいな、と思ってますけど、それはまだちょっと分からないです」

慎重な姿勢を崩さなかったが、経過は良好。ダルビッシュの復帰は、着実に近づいている。