【解説】ダルビッシュ、3度目の実戦登板

June 25th, 2025

サンディエゴ/ぺトコパーク、6月24日(日本時間25日)

パドレスのダルビッシュ有(38)が25日(同26日)にマイナー傘下1Aのレーク・エルシノアを訪れ、シミュレーションゲーム(シムゲーム)に登板する。シルト監督がナショナルズ戦前に行われた定例の監督会見で明かした。ダルビッシュは3月中旬に右肘の炎症が起こり、開幕から負傷者リスト(IL)入りしている。5月14日に3Aエルパソの一員としてラスベガス戦でリハビリ登板に臨み、4回51球。その後、右肘の状態が上がらず、メジャー復帰は白紙となっていた。リハビリの再スタートから、3度目の実戦投球となる。

「ここまでのプロセスには進歩があるが、あしたまたそれを踏まなければいけない。その後、(右肘の)回復がとても重要だ。コントロールされた環境で投げることが理にかなっている」

シルト監督は、マイナーの公式戦で投げるリハビリ登板ではなく、自軍のマイナー選手相手の登板を選んだ事情を「理にかなっている」と説明。いつも通り、ぺトコパークで投げた方が、都合がいいのでは? と思うが、なぜか。

サンディエゴでのナショナルズ戦はデーゲーム。その試合前にシムゲーム登板をする場合、ダルビッシュ本人と味方の打者らが早くから球場入りし、準備をしなければいけない。ナイター明けのデーゲームはただでさえ、日程的にハードスケジュール。さらに打者は通常、メジャー選手に加え、マイナー選手も招集する。1Aの本拠地はレーク・エルシノアという土地でサンディエゴから北に約106キロ。運転で約1時間の距離だが、1Aの公式戦は前日もこの日もナイトゲーム。マイナー選手を呼ぶにも、前夜に試合をこなした選手たちに早朝からの移動を求めなければいけない。それなら、ダルビッシュが1Aを訪れ、若手選手たちに対して、球数やイニングを管理しながら登板した方が、効率的なリハビリの1日が過ごせる、というわけだ。

シムゲーム登板の当日(25日)、1Aの公式戦はナイトゲーム。その試合前にシムゲーム登板を組み込むスケジュールは、ダルビッシュがこれまでぺトコパークでこなしてきた“時間割”を大きく崩すことなく、プランを進めることができる利点がある。

重要なことは予定通りの球数、イニング数、強度(球速)など、ダルビッシュが望んだ基準を満たすこと。そしてその後、数日間、右肘が想定通りに回復するかどうか、だ。20日にシムゲームで2イニングを想定して、39球を投げてから中4日。この日は、キャッチボールのあとにブルペンでのシャドーピッチングを行い、登板前日のルーティーンをこなした。順調なステップアップができるのか。メジャー復帰へ向けた重要なマウンドになる。