【一問一答】ダルビッシュ、今季初勝利と日米通算204勝

「うれしい気持ちはありますけど、うれしくない部分も」

July 31st, 2025

――野茂英雄さん(日米通算201勝)、黒田博樹さん(同203勝)を抜いた

「もちろんうれしいですけど、黒田さんとか野茂さんのようなピッチャーではまだないと思うので、数字がどうとかじゃなくて本質的に近づけるように、これからもしていきたいなと思います」

――今季、初勝利を挙げた

「もちろんそれはうれしい気持ちはありますけど、ここまで何もしていないので、うれしくない部分もあったりとか複雑ですけれども、とりあえずきょうの試合は休みの前で七回まで行けたので、それは良かったですね」

――前回とガラッと変わった、何かきっかけがったのか

「リリースポイントを一気に下げて、自分ではサイドスローに近いような感じで投げたことで、すごくきょうはハマった感じがしました」

――204勝した、誰に感謝の言葉を

「やっぱり本当に自分の根源って両親なので。両親が生んでくれて育ててくれて、というところなので、両親が一番ですね。いまは、ずっと妻(聖子さん)も支えてくれてますし、両親と家族が本当に。その他にも(感謝を伝えたい人たちは)いっぱい、いるんですけど(名前を)挙げると本当にキリがないので、それだけたくさんの方に支えられてきたっていう感じです」

――球団アドバイザーも務めている野茂さんへの感謝の気持ちは

「ちょうどきのうも珍しくクラブハウスに来られて、自分もちょっとサイドスローピッチをしようと思ってて、不安はあったので野茂さんに一回ビデオを見せて、どう思いますかって聞いたら『ええやん』っていってくれた。そこから野茂さんがいってくれるならいけるって。正直にいつもいってくださる、悪い時は悪いっていってくれます。そういうところも含めて細かいところを、スプリングトレーニングもそうですし、たくさんアドバイスをいただけるので、本当に感謝しています」

ーーきょうはチームメートが一丸になって自身の1勝目を意識した

「みんな選手は誰も知らなかったので(笑)。そんなつもりでは全然やってなかったと思いますけど、でもやっぱり休みの前に、さっきもいったみたいに7イニングいけて、(先制2点タイムリーを打った)マニー(マチャド)もそうですし(15号2ランを放った)シーツもそうですし(三回にダイビングキャッチをした)クロネンワースもいいプレーがありましたし、そうやってみんなでデーゲームで勝てたことはすごく良かったですね」

――初勝利までの苦しみ、今までと違うものがあった

「今までのこと(過去のシーズン1勝目のこと)をあんまり覚えていないので、比べられないですけど、やっぱり帰ってきてから全然、貢献どころか逆効果ぐらいのピッチングをしていたんで、それが1試合だけですけど、いいピッチングができて、そこはホッとしてますね」

ーー若い選手の目標、こういう先輩であろうということを力にしているか

「(日本の)若い選手たちに関しては、どういうときでも何か困ったときとか、何か戦力(助けてあげられる存在)になれるようにってずっと思ってますし、みんな見てますし、ずっと成功してほしいとは思っている。ただいえるのはやっぱりみんなすごいので、今の選手たちは。自分が一番良かったときよりも、若い選手たちの方が上だなって思うことも多々あるので、そこが本当に刺激になっています」

ーー自身のプロ1年目、メジャーに来た1年目、自分が理想にしていた投手に近づいているか

「全然なってないですね。やっぱり僕が求めたのはずっと完璧なピッチャーですし、そう考えると、やっぱり自分より速い球を投げるピッチャーはいっぱい、いますし、自分よりコントロールのいいピッチャーはいっぱいいます。いろんな球種を投げられるのは強みではありましたけど、一個一個の球種を取ったときに僕よりすごいピッチャーいっぱいいるので、まだ程遠いっていうところですね」

――逆にそれで楽しいとか、もっとやろうという気持ちになる、原動力になる
「なったりもしますし、でもと同時にもう無理だよと思うこともあります。あまりにもみんなすごいですからね、あの人たちは。でもその間、狭間でいるって感じですね」

――復帰時に「スライダーを諦めないといけないかも」ということをいっていたが、それは3月の時点のことなのか、5月のラスベガス戦の後か
「ラスベガスの後ですね(5月14日、アスレチックス傘下ラスベガス戦)。そこからちょっとまたいろいろ診断とかあった中で、いろんなドクターとかも話しながらっていうところででしたけど、まあ、なんとかなってるので、今のところは」

ーーその時の心境、ショックはあったか

「聞いたときは、別に何も。良くも悪くも、最近はこう感情でバーッ(メンタルが)揺れないので。だから、別にああそうなんだ、ぐらいに思いました。そこから何ができるかっていうことだけは考えてましたけど。投げ始めたら意外と投げられている」

ーーツーシームが大きく変化することを狙ってきょうは右肘を下げたのか

「いやいや、違います、単純に。ツーシームがどうとかっていうより全体的に体のリリースの後、フォーム全体のタイミングであったりとか、自分の体の位置とかを見たときにやっぱりちゃんとしてなかったので、それを肘をちゃんと下げることで、割とコンパクトになったというか、自分の中で納得できるフォームになった感じがしたので」

ーーきょうの勝利は204勝目という意味合いの方が強いか、今季1勝目の勝利という方が強いか

「今季初勝利ですかね。でもそれもあんまり思わないというか、単純に投げました、チームが試合に勝ちました、っていうだけなので。あんまりその本当に個人的な勝利とか、もう本当に近年あんまり考えないので」