松井裕樹、1回無失点で勝利を締める

16登板ぶりに無安打&無四球

July 30th, 2025

パドレス7−1メッツ】サンディエゴ/ぺトコパーク、7月29日(日本時間30日)

パドレスの松井裕樹(29)が九回無死一塁から6番手で登板し、1イニングを無安打無失点で勝利試合を締めた。無安打&無四球で走者を出さなかったのは、6月5日のジャイアンツ戦以来、16登板ぶり。“新フォーム”に好感触をつかみ、投球内容の改善に手応えを得た。

「ランナー二塁の投球がすごく課題だったんですけど、それを練習からちゃんと意識するようにってこのカード前から(投手コーチらに)言われていて、それはいい形で出せたかなと思います」

無死一塁でマウンドに上がり、先頭はセカンドゴロ。1死二塁から奪った2アウトが成長の証だ。セットポジションの際に二塁走者から、ボールの握りが見破られ、球種の判別につながる懸念があった。MLBでは、肉眼で投手の癖を見破り、それをベンチや打者に伝達することは合法(ハイテク電子機器などを使うことは禁止)。松井はセットポジションに入るグラブの角度、左手の位置などが二塁走者が目視できる構えだった。

左手を覆うようにグラブをセットした。投げ出すタイミングで両腕のスタート位置が変化することで本来のフォームから微妙なズレが生じていた。

「手首の角度が変わったら腕の動く関節の位置も変わりますし、それが両手なので両手の角度が変わるというかメカニックが変わるじゃないですか。なるべくそこ(自分が動かしている感覚)が気持ちいいように。今日の(セットの入り方)でいけるんだったら、うまいこといけそうかなっていうのはちょっとマウンド上で見つかった」

試合前練習のキャッチボールから新セットポジションでの投球を練習してきた。野手にも見え方をチェックしてもらうなど日々、改善に努めていた。四球率(9イニング換算した場合の四球数)は、試合前時点で「4.9」。昨季の「3.9」より悪化した制球が課題だ。ここまで108試合で42登板目。負傷離脱することなく、ブルペンを支えている。

打線は1−1の六回にメリルの勝ち越し三塁打、七回にはディアスの2点タイムリー二塁打、さらにマチャドの20号3ランなどで加点し、勝負を決めた。

30日(日本時間31日)のシリーズ最終戦は、ダルビッシュ有(38)が先発する。クラブハウスのロッカーは隣で常に親身になり、アドバイスを惜しまない尊敬する先輩が今季初勝利をかける。

「今日ぐらいの点差でまた最後に投げたいです」と笑顔で話した松井。願わくば、ダルビッシュが勝利投手になる試合で1アウトでも貢献したい。ただ、どんな場面でも与えられたマウンドで無失点を目指すだけだ。