【パドレス4−2ドジャース】ロサンゼルス/ドジャースタジアム 9月24日(日本時間25日)
歓喜のシャンパンファイト。その輪の中心で、松井裕樹は大きな笑顔を見せていた。
「うれしいですね。(今季は)やっぱりチームに貢献した実感があるので、喜びも大きいです」
言葉通り、ドジャースとの第3戦では、緊迫した場面でチームを救った。
3連戦を1勝1敗、マジック「1」で第3戦を迎えたパドレス。勝てばポストシーズン進出を決める一戦は、両先発の好投で「0」が並ぶ投手戦となった。
MLBの最新ニュースを見逃さない!
- 【毎週日本時間金曜配信】日本語版ニュースレターに登録
- 【自分のスタイルでMLBを楽しむ】日本語公式アプリをダウンロード
- 【2026年より開設!】MLB Japan公式Youtubeチャンネル
五回2死一塁。パドレスが2番手としてマウンドに送り出したのは松井だった。先頭のフレディ・フリーマンをフルカウントまで追い込み、8球目の138キロのスライダーを中前へ運ばれ、2死一、三塁に。失点すれば流れが変わりかねない場面だった。
それでも、松井は落ち着いていた。テオスカー・ヘルナンデスへの初球、150キロの低めの速球で見逃しストライク。2球目は外角低め、138キロのスプリットでファウルで追い込むと、最後は高めの速球でヘルナンデスのバットが空を切った。
最大のピンチを切り抜けると、松井は左手の拳を握り、吠えた。ダグアウトへ戻ると、手をたたき、チームメートとハイタッチ。感情が一気にあふれた。
さらに1点の援護をもらって向かった六回は、先頭のカイル・タッカーをスライダーで二ゴロに打ち取り、続くマックス・マンシーを速球で内野フライに仕留めた。左打者2人を抑え、マウンドを降りた。
「きょうは投手コーチから中継ぎ1番手で行くと言われていたので、しっかり準備していた。回をまたいでいい投球ができて良かった」と松井は登板を振り返ると、スタメン監督は「ユウキは絶対に抑えてくれると思っていた。いつも言っているけれど、信頼に応えてくれる素晴らしい投手だ」と、シャンパンとビールでずぶ濡れになりながら、うれしそうに話した。
順風満帆なシーズンではなかった。春季キャンプ中、実戦形式の打撃練習で左内転筋を負傷。予定されていた3月のWBC出場を辞退し、開幕も負傷者リスト(IL)入りして迎えた。しかし、5月に復帰すると好投を続け、53試合に登板。防御率1.78をマークしている。
「左打者に強く、右打者も抑えられる。速球をゾーンの高めにも低めにも投げることで、スプリットがより効果的に使えている。健康面を含め、野球に関するあらゆる部分をしっかり管理している。それが今季の成功につながっていると思う」と指揮官は松井に大きな信頼を置いている。
シーズン終盤の重要な局面で、その信頼はさらに厚くなった。松井自身も、今季の役割に手応えを感じている。
「過去2年は、この時期になると勝敗がほぼ決まった試合でイニングを消化するような役割が多かったんです。今年は状況設定のある場面やリードしている場面で使ってもらえているので、本当にやりがいを感じています。緊張感を持ちながら、いいマウンドを重ねられているので毎日が充実しています」
8月、9月は連投もあったが、「大事な時期にしっかり名前を呼んでもらえて、本当にやりがいを感じています」とプレッシャーを楽しんでいるようにも見える。
左腕の視線は、すでにその先を見ている。
ポストシーズンでも、さらに緊張感のある大事な場面で、松井裕樹の名前がコールされそうだ。