雄星、指のけいれんで途中降板、来季の成長誓う

September 25th, 2025

エンゼルス3−2ロイヤルズ】アナハイム/エンゼルスタジアム、9月24日(日本時間25日)

終盤にアクシデントはあったが、菊池雄星(34)はシーズンを上々の締めくくりとした。

菊池は5回を投げ、立ち上がりから4イニングを無安打に抑えて、今季7勝目(11敗)。六回の登板前に指のけいれんで交代した。

菊池は六回の投球に向けてマウンドで肩を回し始めたが、すぐにトレーナーのチェックを受け、降板した。エンゼルスは当初、左前腕のけいれんによる交代と説明したが、後に菊池が大嶋佑亮通訳を介して「指の下部のけいれんに近い」と補足した。

「非常に前向きな(シーズン最終登板としての)締めくくりだった。ボールを思い通りに操り、今季で一番と言っていいほど良かった。効率も良かった。あの小さなけいれんさえなければ、今夜どこまで投げられたか分からない」

エンゼルスのレイ・モンゴメリー監督代行は左腕の投球を評価した。

今季の最終先発に臨んだ菊池は、五回先頭のランドル・グリチックに本塁打を浴びるまで無安打。被安打はその1本のみで、1四球、6三振。66球で5回1失点にまとめた。

菊池は昨オフにエンゼルスと3年総額6370万ドル(約94億7000万円)で契約。負傷と不安定さに悩まされた先発陣の中で最も信頼できる投手の一人として働き、自己最多を更新する33先発、インング数は178回1/3をマークした。

「個人的にも1年間、ローテーションを守れたことは非常によかった。ただ、3年間ローテーションを守っていますけど、同じような数字が並んでいますので、もっともっと上に行くためにオフシーズンは、新たに違うことにも(取り組む)。よくいえば、3年間一緒の数字を出すことができた。違う見方をすれば3年間、同じ数字に終わってしまった、とも言える」

菊池は、収穫と反省を語った。

もちろん、良い材料もあれば課題もある。今季の防御率3.99は、2023年にブルージェイズで記録した3.86以来の好成績。7年のキャリアで防御率4.00未満で終えたのはこの2シーズンだけだ。一方、WHIP1.42(1イニングあたり何人の走者を出したかを示す数値)は2022年以来、最も悪化した。

評価すべきは投球回数だけではない。モンゴメリー監督代行の評価は、春の合流以降、クラブハウスでの存在感や、若手に与えている好影響も大きいという。

「彼の存在感は圧倒的だ。新加入の1年目は、環境に慣れるための適応が必要になることが多い。来季は、今季よりさらに良い彼を見られるはずだ」

モンゴメリー監督代行はそう語った。

「オフシーズン、すべてのレベルで上に行けるように頑張りたいと思いますね」

菊池は、さらなる成長を期し、メジャー8年目に向かう。