ア・リーグのシルバースラッガー賞が発表

November 8th, 2025

7日(日本時間8日)に、アメリカン・リーグのシルバースラッガー賞が発表された。ナショナル・リーグは前日6日(同7日)に一足早く発表された。

MLB各球団の監督・コーチの投票により決定されるシルバースラッガー賞は、各リーグの各ポジションにおいて、攻撃面で最も優れたパフォーマンスを見せた選手を表彰する。各リーグで捕手・一塁手・二塁手・三塁手・遊撃手・DHが1名、外野手が3名、ユーティリティプレーヤーが1名選出され、各リーグの「年間最優秀攻撃チーム」も決定される。

2025年シーズンのナ・リーグのシルバースラッガー賞は以下の通り。

一塁手:ニック・カーツ(アスレチックス/初受賞)

アスレチックスのルーキーは、デビューイヤーから打率.290、36本塁打、86打点、OPS1.002と鮮烈な印象を残した。400打席以上かつOPS1.000超えを記録したのは、同じく受賞者であるアーロン・ジャッジと大谷翔平を含むわずか3人のみ。アスレチックスがシルバースラッガー受賞者を輩出するのは、2024年のブレント・ルーカー(DH)に続き2年連続で、その前は2002年のエリック・チャベスまでさかのぼる。

二塁手:ジャズ・チザムJr.(ヤンキース/初受賞)

DJ・ルメイヒュー、ロビンソン・カノ、アルフォンソ・ソリアーノ、ウィリー・ランドルフら歴代ヤンキース二塁手に続く受賞。2025年は自己最多の31本塁打と31盗塁を記録し、キャリア初の「30-30」を達成した。今季MLBでは史上最多となる7人の「30-30プレーヤー」が誕生しており、その一人となった。

三塁手:ホセ・ラミレス(ガーディアンズ/6度目)

“J-Ram”ことラミレスは、2017〜18年に続き、自身2度目となる2年連続受賞。2025年は30本塁打・44盗塁を記録し、キャリア3度目の「30-30」かつ2年連続の「30-40」を達成。シルバースラッガー賞を6回以上受賞した三塁手は、ウェイド・ボッグス(8回)とマイク・シュミット(6回)に続き史上3人目だ。

遊撃手:ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ/2度目)

ウィットは打率.295、23本塁打、38盗塁、OPS.852という活躍で2年連続の受賞を果たした。25歳にしてロイヤルズ史上、複数回のシルバースラッガー受賞者となったのは、サルバドール・ペレス、ジョージ・ブレット、ウィリー・ウィルソンに続く4人目。

外野手:アーロン・ジャッジ(ヤンキース/5度目)

ジャッジは、デレク・ジーター、ロビンソン・カノ、ホルヘ・ポサダ、デーブ・ウィンフィールドと並び、ヤンキース史上最多タイとなる5度目のシルバースラッガー受賞。今季は打率.331、53本塁打、114打点、OPS1.144という驚異的な成績を残し、キャリア初の首位打者に輝いた。打率、出塁率(.457)、長打率(.688)のすべてでMLBトップを記録し、過去5年で4度目、かつ2年連続の受賞となった。

外野手:バイロン・バクストン(ツインズ/初受賞)

長年にわたり攻撃面でポテンシャルの高さを見せてきたバクストンだが、これまではケガの影響で受賞には届かなかった。しかし、2025年はキャリア最多の542打席に立ち、打率.278、35本塁打、24盗塁、長打率.551、OPS.878を記録。キャリア最高のシーズンとなり、初の受賞を果たした。

外野手:ライリー・グリーン(タイガース/初受賞)

24歳のグリーンは今季2度目のオールスター出場を果たし、長打力をさらに向上させた。36本塁打(ア・リーグ5位タイ)、111打点(同4位)、長打率.493を記録。タイガースの選手がシルバースラッガーを受賞するのは2016年(ミゲル・カブレラ)以来で、外野手としては2015年(J.D.マルティネス)以来となった。

捕手:カル・ローリー(マリナーズ/初受賞)

13日(日本時間14日)に発表予定の2025年ア・リーグMVPに輝くかどうかはまだ分からないが、歴史的なシーズンを彩るタイトルをまた一つ受賞した。今季は初のオールスター出場とホームランダービー優勝を果たし、シーズン60本塁打・125打点でメジャーをリード。マリナーズを24年ぶりの地区優勝へ導いた。

DH:ジョージ・スプリンガー(ブルージェイズ/3度目)

アストロズ時代の2017年、2019年以来となる通算3度目の受賞。2023〜24年には衰えが見え始めていたが、36歳となった2025年に打率.296、32本塁打、18盗塁、OPS.959を記録し、ブルージェイズ加入5年目で見事な復活を遂げた。

ユーティリティ:ザック・マッキンストリー(タイガース/初受賞)

2016年にドジャースからドラフト33巡目で指名された30歳のマッキンストリーは、今季大きく飛躍した。2023年3月にカブスとのトレードでタイガースへ加入すると、今季は初のオールスター選出。打率.259、出塁率.333、長打率.438、OPS+113、12本塁打、23二塁打、11三塁打、19盗塁を記録。二塁・三塁・遊撃・両翼と複数ポジションを守り、ユーティリティ部門受賞にふさわしい多才さを発揮した。

チーム:ヤンキース(2度目)

主砲アーロン・ジャッジを中心にヤンキースは2025年に849得点を記録し、2位に51点差をつけメジャー最多となった。また、本塁打(274本)、長打率(.455)、OPS(.787)、塁打数(2,488)でもリーグ首位を独走。ジャッジ以外にも、20本塁打以上を放った打者が7人、長打率.460以上かつOPS.810超のレギュラーが6人と、層の厚い強力打線を形成した。