オールスターの投票画面を見ると、アーロン・ジャッジ、大谷翔平、フレディ・フリーマンといった常連組の名前がすぐに目に入る。一方で、初めてオールスターゲームに出場、あるいは先発出場のチャンスを得ようとしている選手も少なくない。
7月15日にトゥルイスト・パーク(アトランタ)で開催される今年のオールスターゲームには、多くの新顔が登場することになりそうだ。ここでは、初の先発出場に最もふさわしい選手を基本的には1ポジションにつき1人ピックアップした(一部例外あり、合計は12名)。
なお記録はすべて金曜時点のものとなっている。
1位:カル・ローリー(マリナーズ/ア・リーグ捕手)
「捕手」史上最高のシーズンと言っても過言ではない。全62試合に出場し、打率.269、出塁率.379、長打率.634、そしてメジャートップの24本塁打。ファングラフスのWAR(Wins Above Replacement: 勝利貢献度)は4.0でリーグ2位だ。このまま行けば162試合で63本塁打、10.4WARという驚異的なペースで、見事ランキング一位に輝いた。
2位:ピート・クロウ=アームストロング(カブス/ナ・リーグ外野手)
23歳の新星は大ブレイク中で、WAR3.8はジャッジ(5.4)、ローリー(4.0)に次ぐ全体3位。打率.870、16本塁打、21盗塁、そして守備でも11OAA(守備貢献度、外野手1位)を記録しており隙が見当たらない。6月3日にはメジャー史上4番目の早さとなる60試合での「15本塁打・20盗塁」を達成した。
3位:ジェレミー・ペーニャ(アストロズ)or ジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス/ア・リーグ遊撃手)
最も争いが熾烈なポジションと言える。WARを比較すると、ペーニャ(3.3)、ウィルソン(3.2)そして、ボビー・ウィットJr.(3.1)は3人とも拮抗。ここ数年の実績から見るとウィットが有力候補に感じられるが、ペーニャは卓越した守備に加えて自己最高のOPS.876をマークしており、ウィルソンも打率.369(メジャー2位)、89安打を記録するなど強い印象を与えている。
4位:フランシスコ・リンドア(メッツ/ナ・リーグ遊撃手)
この時期になると毎年のように「リンドアがオールスターゲームに先発出場したことがない」という事実に改めて驚かされる。それどころか、彼は2019年以降、選出すらされていないのだ。
しかし今年は間違いなく状況が変わるだろう。OPS.852、14本塁打、11盗塁、WAR2.8という成績。MVP投票で2位となり、ポストシーズンでも大活躍した昨シーズンを受けて、ファン投票での支持が伸びると予想される。将来の殿堂入りが確実視される彼が、ついに真夏の祭典で先発の座を掴む時が来た。
5位:ウィル・スミス(ドジャース/ナ・リーグ捕手)
2023年に初めてオールスターに選出されたスミスだが、今季は自身初の先発出場が期待されている。スミスはナ・リーグの捕手の中でトップのWAR2.4を記録し、打率.327、出塁率.424、長打率.494という成績。どのような打者にとってもこれは素晴らしい成績だが、捕手としてこの記録を残しているのだから尚更だ。これまで何度も落選してきたスミスが、ドジャースのチームメートと共にスタメンに名を連ねる時がやってきた。
6位:ライアン・オハーン(オリオールズ/ア・リーグ指名打者)
苦しいシーズンを送るチームにおいて、数少ない明るい材料となっている。2023〜24年にかけては、対右投手を中心に起用されていたが、今季はレギュラーに定着。打率.317、出塁率.402、長打率.505という成績で一気に飛躍をとげた。
WAR1.9は、指名打者としては大谷とラファエル・ディバースに次ぐ数字となっている。他に目立ったオールスター候補がいないチーム状況もあり、選出の可能性は高い。
7位:ブレンダン・ドノバン(カージナルス/ナ・リーグ二塁手)
これまでもカージナルスのレギュラーとして堅実なプレーを見せていたが、28歳の今季はさらに一段階レベルを上げている。主に二塁手として起用されており(二塁で48試合、左翼で12試合、遊撃で6試合に出場)打率.315、出塁率.382、長打率.448という成績。WAR2.2は規定試合数に到達している二塁手の中でトップである。
ただし、ケテル・マルテとの激しい争いが予想される。マルテはケガで1カ月欠場しているが、OPS1.043、WAR2.1という成績を残している。
8位:マット・チャップマン(ジャイアンツ/ナ・リーグ三塁手)
実はこれまでオールスターゲームに選ばれたのは、アスレチックス時代の2019年の一度きり。ゴールドグラブ賞を5度、プラチナグラブ賞を2度受賞し、通算OPS.791という成績を誇っているが、ホセ・ラミレス、ノーラン・アレナド、マニー・マチャド、アレックス・ブレグマンといったスター揃いの「三塁手黄金時代」にキャリアが重なったという不運で祭典への出場が限られていた。
だが今季はWAR2.2と、三塁手でナ・リーグトップのマチャド(WAR2.4)にほぼ肩を並べる活躍。2度目のオールスター選出が有力視されている。
9位:アイザック・パレデス(アストロズ)or マイケル・ガルシア(ロイヤルズ/ア・リーグ三塁手)
もちろん、現時点ではラミレスがキャリア4度目のオールスター先発に選出される可能性が高い。しかし、パレデスとガルシアもここまで素晴らしいシーズンを送っている。
同じ試合数(62)をプレーし、WARではほぼ互角(パレデスが2.1、ガルシアが2.0)。本塁打数ではパレデスが14本でガルシアの7本を大きく上回っているが、OPSではガルシアが.860とパレデスの.830を上回っており、盗塁も13に対してパレデスはゼロとなっている。
10位:フリオ・ロドリゲス(マリナーズ/ア・リーグ外野手)
フアン・ソトとカイル・タッカーがナ・リーグに移籍したことで、ジャッジがますますア・リーグ外野手の中で存在感を増しているが、その次の選手はこのフリオ・ロドリゲスかもしれない。
2022〜23年のスーパースターのような活躍というより「優れた選手」として落ち着いてきた印象はあるが、それでも24歳のセンターは、10本塁打、10盗塁、OAA7という好成績を挙げている。
