【ブルージェイズ1-3ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月31日(日本時間11月1日)
「第7戦」
これ以上テンションを上げる言葉はないだろう。
ドジャースは2年連続の優勝を飾るのか?
それともブルージェイズが32年ぶりの王座をつかむのか?
今シーズンの締めくくりとして、これ以上に何を望む事ができるだろうか。
このポストシーズンでは、毎日翌日の試合をプレビューしてきたが、どんな結末になろうと、今日はその最終日である。さあ、シートベルトを締めてショーを楽しもう。
ここでは、ワールドシリーズ第7戦(ドジャース対ブルージェイズ/3勝3敗)を前に注目すべき5つのポイントを紹介する。
ワールドシリーズ第7戦
午後8時(東部時間)/FOX放送
午前9時(日本時間)
先発投手:未定(LAD)―マックス・シャーザー(TOR)
大谷翔平はどんな役割を担うのか
まず間違いないのは、大谷が先頭打者として、試合最初の打席に立つこと。9人ごとに巡ってくる打席で、世界屈指のスラッガーが相手に恐怖を与えることは言うまでもない。だが、大谷の最大の強みは、打球をスタンドへ運ぶだけの選手ではないことだ。
第6戦の締めくくりでタイラー・グラスナウを投入したドジャース。わずか3球で3アウトを奪ったとはいえ、これによって第7戦は大谷が先発する可能性が高いように見える。トミー・ジョン手術からの復帰シーズンで登板間隔を慎重に管理してきたチームが、中3日で先発登板させるのか?
「翔平は投げる。ただ、どのタイミングかはまだ決まっていない」とデーブ・ロバーツ監督は説明した。
確かに、大谷には「何でもできる」印象がある。だが、シリーズの最終戦という舞台で初の試みに挑むのは、いかにも大きな賭けである。とはいえ、ドジャースには究極の武器がある。これ以上ない場面で、それを解き放つ時が来たのかもしれない。
シャーザーはどこまで投げられるのか
普通だったら、ア・リーグ地区シリーズでロースター(出場登録メンバー)から外れていた選手に、「2週間後のワールドシリーズ第7戦でチームを救ってくれ」と求めるのは無理があるだろう。
だが、マックス・シャーザーは普通ではない。
ある意味でポストシーズン野球の象徴的存在であり、過去10年以上の10月を思い浮かべると、必ずあの鋭い眼光で打者をにらむ姿が浮かぶ。
ア・リーグ優勝決定シリーズでの登板は見事だったが、すでに40代に突入しており、WSの第3戦では4回1/3で3失点(うち2点は降板後に記録)と完璧ではなかった。もはや全盛期のシャーザーではない。それを踏まえて、ブルージェイズはどこまで彼に期待するのか。
そして、もしジョン・シュナイダー監督が交代を告げるためにマウンドへ向かってきたら、シャーザーは、どうリアクションするのか。もっとも、第7戦の経験がないわけではない。WSが最後に第7戦までもつれた2019年にナショナルズの一員としてアストロズを倒したあの試合に先発していた。
ムーキー・ベッツとジョージ・スプリンガーは復調したのか
ドジャースはシリーズを通して、いや10月全体、シーズンを通して、ベッツのあの一打を待っていた。三回に放った2点タイムリーは、まさにチームが期待していた勝負強さそのものだ。「かつてのムーキーが戻った」と言い切るのは早いかもしれないが、少なくともドジャースはより手応えを持って、第7戦に臨む事ができる。
一方、ブルージェイズのジョージ・スプリンガーも復活を印象づけた。第3戦で右脇腹を痛めて以来の復帰戦であの全力スイングには痛々しさすらあったが、第6戦では1番打者として4打数2安打1打点と気を吐いた。再びラインナップに名を連ねる状態はどうか。痛みが残っていても、勝負どころで結果を出せるのか。この日の活躍を見る限り、第7戦もスタメンに入りそうだ。
ドジャースのブルペンはどう戦うのか
ドジャースのロバーツ監督が六回で山本を交代させた瞬間、ブルージェイズファンはほっと息をついたに違いない。直前の2登板で完投しているエースを早めに下げたのだから、ブルージェイズ側にとってはチャンスだった。しかも、今のドジャースの救援陣にはかつてのような安定感はない。
それでも、そのブルペンは何とか踏みとどまった。左腕ジャスティン・ロブレスキーが七回を完璧に抑え、八回は佐々木朗希(23)が不安定ながらもゼロで切り抜けた。しかし九回、佐々木がピンチを招き、最後はグラスナウの緊急登板とまさかのダブルプレーで逃げ切るという劇的な展開になった。
ロブレスキーは16球しか投げていないため、登板可能だろう。第3戦で好投したウィル・クラインへの信頼も高まっている。わずか3球でセーブを挙げたグラスナウも再登板の可能性がある。
さらには「第7戦」なのだから、ブレイク・スネルすら控えているかもしれない。一方、33球を投げて苦しんだ佐々木の再登板は微妙であり、ロバーツ監督がどんなシナリオを描くか注目される。
第7戦のヒーローは誰になる?
ワールドシリーズの第7戦は、あまりに久しぶりだ。2019年以来、実に6年ぶりで、過去20年でもわずか5度しか行われていない。2016年のカブスの勝利は語り草だが、第7戦に“ハズレ”など存在しない。
さて、今回のヒーローは誰か。
大谷翔平か? ブラディミール・ゲレーロJr.か? それとも、まだ誰も想像していない意外な選手か。おそらく、その「誰か」が現れるのだろう。
ワールドシリーズ第7戦。これ以上の舞台はない。
