2026年殿堂入り候補選手が発表

November 17th, 2025

全米野球記者協会(BBWAA)による2026年の殿堂入り選考の候補者が17日に発表され、2025年の選考から残っている15名に加えて、新たに12名が候補として加わった。

過去2年間、BBWAAは毎年3名を選出しており、そのうち2名は初年度の候補者であった。2024年には、初年度のアドリアン・ベルトレとジョー・マウアーが選出され、6年目のトッド・ヘルトンが加わった。昨年は、イチローとCC・サバシアという初年度の2名と、10年目で最後の年となったビリー・ワグナーがクーパーズタウン入りした。

しかし、この流れが2026年も継続するとは限らない。

新しい候補者の中では、左腕のコール・ハメルズが中心選手とみられている一方、最も殿堂入りに近いのは、再候補となる外野手のカルロス・ベルトランとアンドリュー・ジョーンズで、特にベルトランは目前に迫っている。3年目となった2025年の選考では、支持率が57.1%から70.3%へと上昇。選出には75%の得票が必要で、候補期間は10年間。5%以上の得票がある限り候補者リストに残り続ける。

アンドリュー・ジョーンズは2018、19年の最初の2回の投票では、得票率が約7%にとどまり、当落線上にいたが、2025年の選考では61.6%から66.2%へと伸ばした。残り2年の有資格期間で、殿堂入りまで約9ポイントに迫っている。

他の再候補選手で40%に達した者はいなかったが、上昇傾向を示した選手もいる。二塁手チェイス・アトリーは2年目に28.8%から39.8%へと大幅に上げ、右腕のフェリックス・ヘルナンデスは初登場で20.6%を獲得した。左腕アンディ・ペティットも13.5%から27.9%へと得票率を倍増させたが、今回が投票8年目で残された期間は少ない。

以下は、2025年の得票率順に並べたその他の再候補選手と2026年の候補年数である。

  1. 遊撃手アレックス・ロドリゲス(37.1%、5年目)
  2. 外野手マニー・ラミレス(34.3%、10年目)
  3. 外野手ボビー・アブレイユ(19.5%、7年目)
  4. 遊撃手ジミー・ロリンズ(18.0%、5年目)
  5. 遊撃手オマー・ビスケル(17.8%、9年目)
  6. 二塁手ダスティン・ペドロイア(11.9%、2年目)
  7. 左腕マーク・バーリー(11.4%、6年目)
  8. 右腕フランシスコ・ロドリゲス(10.2%、4年目)
  9. 三塁手デービッド・ライト(8.1%、3年目)
  10. 外野手トリー・ハンター(5.1%、6年目)

なお、ラミレスのみ2026年が最終年となる。

ベルトレ、マウアー、サバシア、イチローと、過去2年間で4名が初年度で選出されたが、今回の投票用紙には同様に即選出確実といえる候補は見当たらない。

その上で、初年度候補の中で75%に到達する最有力はハメルズだろう。特に、投手への評価は時代とともに変わってきており、彼の通算成績(163勝、防御率3.43、奪三振2560)であれば選出されてもおかしくない。また、ヘルナンデスも近い成績を残しており、両者とも特定の球団の象徴としてのインパクトもある。

一方で、ハメルズは最盛期の実績ではヘルナンデスに及ばなかった。例えばサイ・ヤング賞の受賞歴はなく、最高順位は2011年の5位。ただしハメルズには、2008年のポストシーズンでナ・リーグ優勝決定戦とワールドシリーズ双方のMVPを獲得し、ワールドシリーズ制覇を果たした実績がある。

そのほか、2020年を最後にメジャーでプレーした初年度候補には、ライアン・ブラウン、チュ・シンス、アレックス・ゴードン、マット・ケンプ、ニック・マーケイキス、ハンター・ペンス(いずれも外野手)、DHのエドウィン・エンカーナシオン、二塁手のハウイー・ケンドリックとダニエル・マーフィー、左腕ジオ・ゴンザレス、右腕リック・ポーセロらがいる。

2026年の殿堂入りクラスは、今回のBBWAAによる投票結果(2026年1月20日、MLBネットワークで生放送)と、2025年12月7日に発表される、時代委員会による選出者よって構成される。殿堂入り式典は、2026年7月26日にニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。