2026年度の殿堂入り投票について、これまでにわかっていること

名外野手カルロス・ベルトランは殿堂入り確実か

4:00 AM UTC

ジェフ・ケントが今年、米野球殿堂入りを果たすのはすでに決まっている。では、ケントとともに殿堂入りするのは誰だろうか。

殿堂入り投票の結果は、米東部時間1月20日午後6時(日本時間21日午前8時)からMLBネットワークで発表される。それまでハッキリしたことはわからないが、殿堂入り投票の動向についての情報を得るには、正式な発表を待つ必要はない。

ライアン・シボドー氏の集計のおかげで、私たちは殿堂入り投票の途中経過を知ることができる。また、過去数年にわたって殿堂入り投票の結果を予測するシミュレーションを行ってきたジェイソン・サーデル氏は、今年の殿堂入り投票についても定期的に予測を更新している

これら2つの貴重なツールを使用することで、殿堂入り投票の途中経過について、以下のようなことがわかっている。

注:シボドー氏は米東部時間1月11日午後5時20分の時点で記者158人分の投票を集計している。この記事内で紹介する得票率は、すべてその時点のものである。また、サーデル氏による結果予測は、シボドー氏が記者148人分の投票を集計した時点で行われている。

【1】ベルトランは殿堂入り確実か

カルロス・ベルトランは正式に発表されるまでお祝いを控えるかもしれないが、メジャーで20年間活躍した名外野手はおそらく、今年の夏にクーパーズタウンへ行くためのフライトプランを立て始めるだろう。

シボドー氏の集計によると、ベルトランの得票率は89.2%に達している。記者投票による殿堂入りを果たすためには得票率75%が必要だ。サーデル氏の最新の予測によると、ベルトランが得票率75%以上を記録する確率は99.7%だという。よって、今年の殿堂入りメンバーに2004年のアストロズから2人の選手が選ばれる可能性はかなり高いと言える。

同世代で最もパワーとスピードを兼ね備えた名選手の1人だったベルトランは、史上5人しか記録していない通算500二塁打、400本塁打、300盗塁を達成。ほかの4人はアレックス・ロドリゲス、バリー・ボンズ、アンドレ・ドーソン、ウィリー・メイズという顔ぶれだ。

【2】アンドリューは当選か、それとも落選か

真のドラマはここにある。殿堂入り投票の対象になって9年目を迎えるアンドリュー・ジョーンズの得票率は、過去5年間で33.9%から66.2%へほぼ倍増した。現時点の得票率は82.9%だが、まだ安全圏とは言えない。

最終的な得票率は、事前判明分を集計した得票率よりも低くなるケースが多い。たとえば、昨年のベルトランは事前判明分が73.6%だったのに対し、最終結果は70.3%だった。ジョーンズも事前判明分の70.3%から最終結果では66.2%に下落した。もし昨年と同じ下落幅だと仮定すれば、ジョーンズは得票率78.8%となり、見事に殿堂入りを果たすことになる。サーデル氏の予測でも約75%の確率で当選ラインをクリアしている。

ゴールドグラブ賞10度、通算434本塁打の実績を誇るジョーンズは、全盛期の10年間(1998~2007年)にベースボールリファレンスが算出する総合指標WARで57.6を記録。同期間にこの数字を上回るのはロドリゲス(80.0)とボンズ(71.0)の2人しかいない。

【3】アトリーは3年目も順調

チェイス・アトリーは今年の候補者27人の中で3番目に高い得票率を記録している。現在は66.5%となっており、昨年の39.8%から大幅な上昇だ。ただし、最終的な得票率は60%台の前半に落ち着くとみられる(昨年の得票率は事前判明分よりも約5%低かった)。しかし、長年フィリーズの正二塁手として活躍したアトリーには、まだ時間が残されている。来年以降、あと7回投票に参加できるからだ。

アトリーの通算WAR(ベースボールリファレンス版)は64.6で、二塁手の中では歴代15位にランクイン。多くの殿堂入り選手を上回っており、ケント(55.4)よりも優れた数字だ。

【4】大きくジャンプアップしたのは誰か

アトリーの飛躍も印象的だが、ほかにも2人の先発投手が大きくジャンプアップを遂げている。

フェリックス・ヘルナンデスは初めて対象となった昨年の得票率が20.6%だったが、今年はここまで57.0%を記録。昨年「キング・フェリックス」に投票しなかった記者のうち30人が今年は投票している。今年、新規票を15票以上獲得している候補者は、ほかにアンディ・ペティットだけだ。

5度のワールドシリーズ制覇を誇るペティットは、昨年自身に投票しなかった記者から22票の新規票を獲得。それにより、得票率は昨年の27.9%から現在は57.6%まで上昇している。

しかし、この2人は「切迫感」という点において、大きく異なっている。ヘルナンデスは候補者になって2年目だが、ペティットはすでに8年目だ。ペティットにとって、当選ラインの75%まで長い道のりが残されているが、2024年から2025年にかけて得票率が14.4%アップし、これは全候補者の中で最大のアップ幅だった。8年目に得票率34.1%だったラリー・ウォーカーがラストチャンスの10年目で殿堂入りを果たしたように、ペティットにもまだ殿堂入りのチャンスが残されている。

【5】初登場の候補者のうち、来年も残れるのは誰か

過去2年間の投票では、2025年のイチローとCC・サバシアを含む4人の候補者が有資格1年目で殿堂入りを果たした。

今年は有資格1年目で殿堂入りしそうな候補者はいない。むしろ焦点は、誰が得票率5%をクリアし、2027年度も候補者として残るかということだ。今年から候補者になった選手のうち、現時点で得票率5%のラインをクリアしているのはコール・ハメルズ(32.3%)だけ。オールスター4度の実績を誇る左腕は、ヘルナンデス(20.6%)やペティット(9.9%)の1年目と比較しても、かなり高い得票率をキープしている。

ハメルズは現時点で判明している記者158人分の投票のうち、51票を獲得。有資格1年目の候補者はハメルズ以外に11人いるが、その11人が獲得した票数は合計わずか8票だ。内訳はライアン・ブラウンが4票、エドウィン・エンカーナシオンが2票、秋信守(チュ・シンス)ハンター・ペンスが各1票となっている。

【6】ほかに投票用紙から消える可能性があるのは誰か

マニー・ラミレスは記者投票のラストチャンスとなる10年目を迎えている。通算555本塁打、打率.312、OPS.996という数字は殿堂入りに相応しいが、複数回の薬物規定違反があったため、支持が伸び悩んでいる。得票率は2020年以降、毎年25%から35%の間で推移しており、現在の得票率は41.8%と厳しい状況だ。

6年目を迎えているトリー・ハンターは現在の得票率が4.4%にとどまっている。しかし、ゴールドグラブ賞9度を誇る名中堅手は、過去にも同じような状況を経験した。昨年の事前判明分の得票率は4.8%だったが、最終的には非公開の投票者から支持を獲得し、5.1%で辛くも「足切りライン」を突破。今年もギリギリのところで踏みとどまることになるかもしれない。