17日(日本時間18日)、ESPNはトレード期限シーズンに知っておくべき100人のランキングを発表(英語記事)した。大方の予想通り、1位はタイガースの左腕タリック・スクーバルが入った。ア・リーグの2年連続サイ・ヤング賞の左腕が戻ってきた今、苦戦が続くタイガースが売り手に回れば、多くの球団が獲得に乗り出すだろう。
だがスクーバル以外にも、注目すべき名前がいくつかある。それが、タイガース以外で売り手になりうる球団の選手たちだ。ESPNのリストで、上位15人に複数の選手がランクインしている球団は下記の3つ。
- ツインズ:外野手バイロン・バクストンが2位、先発投手ジョー・ライアンが4位
- エンゼルス:先発投手リード・デトマーズが6位、ホセ・ソリアーノが7位
- レッドソックス:リリーフ投手アロルディス・チャップマンが8位、一塁手ウィルソン・コントレラスが9位、先発投手ソニー・グレイが15位
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今後数週間で予想される、これらのチームの動向を整理するため、各球団のMLB.com担当記者に加え、全国担当シニア記者のマーク・フェインサンドにも話を聞いた。
ツインズ:ESPNが指摘しているように、バクストンがトレード拒否条項を行使すれば、このリストから完全に外れることになる。プロキャリアのすべてをツインズで過ごしてきた32歳は、2028年まで契約を残している。チームと選手の双方が、ついに別れを決断する可能性はあるのか。
結論を言えば、(ほぼ)ない。バクストンにどこかへ行きたいという気持ちはない。ツインズに満足しており、キャリアを通じて一つのユニフォームを着続けることが重要だと繰り返し語ってきた。さらに今は健康で、充実していて、素晴らしいシーズンを送っている。新監督デレク・シェルトンの下でプレーすることを楽しみ、リーダーとしての役割も明らかに楽しんでいる。ツインズで勝ちたがっている。スプリングトレーニングで少しいら立っていたのは、球団にもバクストン自身と同じくらい明確な姿勢を示して欲しかったからで、出ていきたいからではない。
では、移籍するシナリオはあるのか。ない訳ではないが、より大規模な解体が前提であり、現時点でツインズが進みそうな方向には見えない。ただ、仮にツインズがライアン・ジェファーズやジョー・ライアンを放出するようなことがあれば、さすがのバクストンも残留するかどうか悩む可能性はある。それでも、かなり大きな売却の一環でない限り、バクストンが退団する展開を想像するのは難しい。
――ツインズ担当記者 マシュー・リーチ
エンゼルス:デトマーズとソリアーノはいずれも2028年シーズン後までFAにならないため、エンゼルスは、常に需要の高い先発投手市場で有利に立ち回れるチャンスがある。ただ同時に、エンゼルスは従来、売り手に回ることに消極的だったチームでもある。この夏、それが変わる兆しはあるのか。
ここ10年のエンゼルスは、先発投手の育成に苦しんできた。ただ近年はようやく改善の兆しが見え始めており、今季終了後も含めて少なくとも今後2シーズン、球団が保有可能な有力先発投手を2人抱える状況が生まれている。デトマーズかソリアーノを放出すれば、専門家から球界最悪クラス(特に野手に関して)と見なされているマイナーシステムを刷新するための大きな見返りを得られる可能性がある。近年、有望な若手投手が徐々に増えてきていることも踏まえれば、デトマーズやソリアーノのトレードもあり得ない訳ではない。
しかし、オーナーのアルテ・モレノは、FA直前ではない主力選手のトレードを承認することに消極的だった。代表例は、大谷翔平を一度もトレードせず、外野手テイラー・ウォードについてもシーズン後にFAになる予定だったこのオフまで動かさなかった。モレノが再建の可能性に対して前向きになっているのか不透明だが、エンゼルスがどう判断するか、非常に興味深い。ソリアーノもデトマーズも違いを生み出せる投手であり、多くの有望な若手選手との交換が可能な存在ではある。ただし、エンゼルスは2014年以来のポストシーズン進出を目指しているため、来年の競争力を保つために2投手を残す可能性もある。
――エンゼルス担当記者 レット・ボリンジャー
レッドソックス:リリーフ投手はトレード期限で動きやすい点を考えると、チャップマンのトレードは十分あり得る。しかしコントレラスとグレイは、このオフにカージナルスから獲得されたばかりで、どちらもトレード拒否権を持っている。もしレッドソックスが売り手に回るなら、この2人のうちどちらかが動く可能性は高いのだろうか。
シーズン終了後にFAになる可能性が高いため、グレイの方が動く可能性は高いと思う。レッドソックスにとっての強みの一つは、短期的にも長期的にも先発投手の層が厚いこと。一方で、不足している戦力は長打力のある右打者だ。
対して、コントレラスはキャリア最高ペースのシーズンを過ごしており、クレイグ・ブレスロー編成本部長が予想していたように、本拠地フェンウェイパークと相性が良い。さらにその熱い性格は、ボストンにピッタリだ。コントレラスは来季まで契約が残っているだけでなく、2028年には1750万ドル(約27億3000万円)という手頃な球団オプションもある。もしトレードされれば、正直かなりの驚きだ。
――レッドソックス担当記者 イアン・ブラウン
この3つの売り手候補のうち、今から8月3日までの間で最も注目に値するのはどのチームで、その理由は何か。
この3チームの中で最も興味深いチームは、レッドソックスだ。まず、チャップマンで良い見返りを得られる可能性が高い。数年前のトレード期限で、ロイヤルズがリリーフ投手と引き換えにコール・レイガンズを獲得したことを思い出してほしい。期限が近づくにつれて、一流リリーフ投手の価値は常に高くなる。他にも、グレイはオプトアウトして来年FAになることができる。レッドソックスがプレーオフに進出するチームに見えなければ、これはあり得るシナリオだ。
コントレラスはボストンに残る可能性が高そうだが、代わりにジャレン・デュランが動く可能性もある。スタートは良くなかったが、最近は状態を上げており実力は間違いない。2026年以降も2年の保有期間が残っているため、トレード候補としては理想的にすら思える。
最後に、編成本部長に就任して3年目となるクレイグ・ブレスローがこのトレード期限にどう臨むかも興味深い。筆頭オーナーのジョン・ヘンリー氏がチームの成績に満足していないという話もあり、ブレスローは自分の立場を固めるために、買い手に回ろうとする可能性もある。大規模な売却はフロントの交代を早めるリスクがあるとも考えられる。すぐに状況を好転させられなければ、レッドソックスは間違いなく、今年のトレード期限の主役になるだろう。
――全国担当シニア記者 マーク・フェインサンド
タイガース、ツインズ、エンゼルス、レッドソックス以外で、トレード市場を揺るがす可能性があるチームは。
3チーム挙げたい。
ジャイアンツは、ベテランの大半は獲得可能だと周知している。具体的にはマット・チャップマン、ラファエル・デバース、ウィリー・アダメスの高額契約の3選手に加え、ルイス・アラエスとロビー・レイもおり、プレーオフを目指すチームにとって魅力的な存在になり得る。
ロイヤルズは非常に期待外れのシーズンを送っている。ボビー・ウィットJr.がにいる限り完全な解体は予想していないが、先発投手2人、セス・ルーゴとマイケル・ワカが動く可能性はある。いずれも2027年まで契約があり、2028年には球団オプションが付いている。ただ、どちらも30代半ばで、ローテーション強化を目論むチームにとって魅力的な存在になり得る。
そしてもちろん、メッツもいる。33勝41敗で、ナ・リーグ東地区の首位と14ゲーム差、ワイルドカード圏内から5.5ゲーム差にいる。ワイルドカード争いに戻る時間はまだ十分にあるが、もし勝率5割を大きく下回ったままの状況が続くなら、少なくともFA前のフレディ・ペラルタ、デービッド・ピーターソン、A.J.ミンターを売り込まないのは、むしろおかしい。
――フェインサンド記者