今週はプレーオフ争いを左右する注目カードが目白押しだ。なかでもナ・リーグ中地区の直接対決、カブス対ブルワーズ(ミルウォーキー)は要注目だ。現時点で両軍はともに62勝43敗で地区首位に並び、ナ・リーグ全体でもトップの勝率を誇る。28日からの3連戦は、ポストシーズンを占う上で重要なシリーズとなりそうだ。
カブスvsブルワーズ:ミルウォーキー、7月28日(月)〜30日(水)の3試合
これまでの対戦成績
今季はこれまで5試合で対戦し、5月のミルウォーキーではカブスが2勝1敗。6月のシカゴでは1勝1敗、もう1試合は雨天順延で8月18日にダブルヘッダーとして実施予定だ。昨季はブルワーズが8勝5敗で地区優勝を果たしている。
注目ポイント
カブスは序盤から独走していたが、7月20日にブルワーズに並ばれた。7月はブルワーズが15勝6敗(勝率.714)で、特にホームで好調だ。だが、得失点差+116とリーグ最高の攻撃力を誇るカブスも黙っていない。首位攻防の行方は、直接対決で決まるかもしれない。
注目選手
初戦にマウンドに上がるのは、ブルワーズのルーキー右腕ジェイコブ・ミジオロウスキー。オールスターにも選ばれ、防御率2.45、29回1/3で40三振の実績を持つ実力派が強力カブス打線に挑む。対するカブスは鈴木誠也、カイル・タッカー、ピート・クロウ=アームストロングと並び、こちらも見応え十分だ。
メッツ vs パドレス:サンディエゴ、7月28日(月)〜30日(水)の3試合
これまでの対戦成績
両チームは今季まだ対戦がなく、次の対戦は9月16〜18日にニューヨークで予定されている。昨年はメッツがパドレスを圧倒し、6月にNYでスイープ、8月にはサンディエゴで3戦中2勝を挙げた。
注目ポイント
ナ・リーグ全体のポストシーズンのシードを左右する重要な対戦になる可能性がある。ナ・リーグ東地区1位のメッツ(61勝44敗)は、僅差でフィリーズに追われている。一方のパドレス(57勝49敗)は、西地区で首位ドジャースに4ゲーム差をつけられている。昨季はメッツとパドレスの両チームともワイルドカードからの出場で、パドレスが第4シード、メッツが第6シードだった。両者の勝敗差はわずか4ゲーム。つまり、直接対決は順位争いに大きく影響する可能性がある。
注目選手
パドレスの三塁手マニー・マチャドは、7月に打率.326、OPS.997と絶好調で、直近5試合連続でマルチ安打を記録している。27日(日)のカージナルス戦では5打数4安打をマークし、今季のOPSを.866に押し上げたが、これは2022年以来最高の数字でまさに波に乗っている。
レンジャーズ vsマリナーズ:シアトル、7月31日(木)〜8月3日の4試合
対戦成績
ア・リーグ西地区のライバルはこれが今季最後となる直接対決。これまでの3シリーズはマリナーズが勝ち越し、通算7勝2敗とリードしている。
注目ポイント
絶好調のレンジャーズは直近10試合で9勝、6連勝中と勢いに乗り、28日の時点でマリナーズに並び、5月20日以来の地区2位(56勝50敗)につける。マリナーズにとっては、ア・リーグ西地区のライバルとの11連戦を締めくくる重要な4連戦で、ワイルドカード争いや首位浮上への鍵となりうる。
注目選手
マリナーズの中堅手フリオ・ロドリゲスは、シーズン後半に入り調子を上げており、直近アナハイムでの4連戦では最初の3試合で4本塁打のほか、オールスター後は打率.286、OPS.889と好調を維持。ランディ・アロザレーナや新加入のジョシュ・ネイラーと並ぶ強力打線の中核として期待される。
タイガースvsフィリーズ:フィラデルフィア、8月1日(金)〜3日(日)の3試合
対戦成績
インターリーグのライバルだが、過去の対戦は30試合未満と少ない。近年はフィリーズが優勢で、2023年には本拠地でタイガースをスイープし、2024年6月のデトロイトでの3連戦でも2勝1敗と勝ち越している。
注目ポイント
タイガースはここ14試合でわずか2勝と低迷している。27日(日)のブルージェイズ戦では10-0の快勝を収め、7月初旬にドジャースと並んでMLBトップの勝率を誇った実力が復調の兆しを見せている。ダイヤモンドバックスとの3連戦を経て、フィリーズとの敵地シリーズに挑む。
注目選手
フィリーズの左腕クリストファー・サンチェスはシリーズ最終戦でも先発が見込まれる。今季は防御率2.40(ナ・リーグ3位)、124回で134三振と好調で、直近ではレッドソックス相手に完封勝利(12三振)を挙げており、ライリー・グリーンやグレイバー・トーレスらを擁するタイガース打線との対決に注目が集まる。
アストロズvsレッドソックス:ボストン/8月1日(金)〜3日(日)の3試合
対戦成績
両チームが対戦するのは昨年8月以来になる。レッドソックスはフェンウェイ・パークで3連勝した後、アストロズ本拠地で1勝2敗と負け越した。今年も6試合すべてが8月に集中しており、今回のボストン3連戦の後、8月11〜13日にヒューストンで再戦予定になっている。
見どころ
アレックス・ブレグマンが古巣アストロズと初対戦する。今オフ、レッドソックスと3年1億2000万ドル(約178億円)で契約した三塁手は、移籍1年目から打率.298、OPS.919と好成績を残している。右太もも裏の故障で43試合を欠場したが、オールスター前に復帰し、その後も安定した活躍を続けている。ヒューストン凱旋は8月中旬だが、まずはフェンウェイで注目の初対決となる。
注目選手
アストロズの遊撃手ジェレミー・ペーニャは、現在、肋骨の骨折で負傷者リストに入っているが、実戦形式の打撃を再開しており、8月1日の開幕戦までに復帰する可能性もある。今季は打率.322、OPS.867とブレイク中で、リードオフとしてパワーとスピードを兼ね備えた存在。2022年のALCSとワールドシリーズMVPがこの重要なシリーズで復帰すれば、大きな戦力となる。
