ジャッジ、渾身の一振りで決着 レイズ戦サヨナラ弾

May 24th, 2026

レイズ0−2xヤンキース】ニューヨーク/ヤンキースタジアム 5月24日(日本時間25日)

主砲アーロン・ジャッジのサヨナラ弾でヤンキースが劇的勝利を手にした。

ジャッジは11試合連続で本塁打なし。さらに11試合連続で打点なしと不振だった。アーロン・ブーン監督は主将の復調を信じ続けていたが、雨のヤンキースタジアムで、その瞬間は訪れた。

両チーム無得点で迎えた九回、ジャッジはケビン・ケリーのシンカーを捉えると、打球は右中間スタンドへ一直線。自身通算4本目となるサヨナラ本塁打。三塁を回ったジャッジは、ホーム付近で待ち受けるチームメイトたちの輪へ駆け込んだ。

「特別な瞬間だった。みんな、シーズンの厳しさを理解している。きょうもチーム全員が粘り強く戦っていたし、打線全体で素晴らしい打席が多かった。試合を通していい内容だったと思うし、最後にみんなで勝利をつかみ取れた感じだね」

Statcastによる飛距離363フィート(約111メートル)の一発は、ヤンキースにとって今季3度目のサヨナラ勝利となった。そしてこれは、まさに最高のタイミングだった。レイズ戦初勝利をもたらしただけでなく、ブーン監督が「ひどかった」と振り返った不本意なホーム連戦を締めくくる一打にもなった。

ジャッジはこの試合前まで直近35打数4安打と苦しみ、自身でも「もっといい球を振らないといけない」と課題を口にしていた。試合前時点でのチェイス率(ボール球スイング率)は25.9%で、これは新人だった2016年(31.5%)以来、自己ワーストの数字だった。

それでも、ヤンキースは「一振り」で流れを変えられるのがジャッジだと信じている。

「結局は時間の問題だと思っていた。野球は本当に難しい。でも彼は歴代でも屈指の打者だからね。不調も短い期間だったし、彼は常に努力し続けている」

ベリンジャーは主砲の一振りをそう称えた。

実際、ジャッジはここ数試合、鋭い打球を増やしていた。レイズとのシリーズ初戦でも、強烈な当たりの外野フライを放つなど、復調の兆しは見えていた。

九回、代走で一塁にいたマックス・シューマンは、ジャッジが打った瞬間、「完璧に捉えたかどうか分からなかった」と振り返る。

「一日中、風が渦巻いていたからね。もし捕られたらダブルプレーになりたくなかったし、落ちれば三塁まで行けると思っていた。でも、スタンドまで届いてくれて本当に良かったよ」

Statcastによると、この打球が本塁打になる球場は30球場中わずか3球場だけだった。

「正直、フェンス手前くらいかと思った。でも、ジャッジはとにかく大きいからね」とレイズのケビン・ケリーは苦笑した。

シューマンが“ダブルプレーを避けたかった”と語った背景には、この日のジャッジの最初の打席があった。初回、ジャッジは左前打で出塁したものの、続くベン・ライスの右中間へのライナーで飛び出し、一塁で併殺となる珍しい走塁ミスを犯していた。

「ベン・ライスがギャップに打った時は、大体かなり伸びるから、抜けると思ってしまった。もっと周りを見ておかないといけなかった」とジャッジは振り返った。

ライアン・ウェザーズとドリュー・ラスムセンの両先発が七回まで緊迫した投手戦を繰り広げる中、ジャッジは本塁打以外でも存在感を見せた。

八回には、ジョナサン・アランダの右翼線への飛球に対し、右腕を伸ばしながらダイビングキャッチ。チームメートのジャズ・チザムJr.とトレント・グリシャムからは「ダイブというより転んだだけだろ」と冗談交じりにからかわれたという。

「捕るのに必死だった。できることをやろうとした」とジャッジは笑った。

守備で最も大きなプレーを見せたのはコディ・ベリンジャーだった。

八回、ライアン・ビレードの左前打で二塁走者ジュニオール・カミネロが一気に本塁を狙ったが、ベリンジャーが素早く送球。一度バウンドした送球が三塁へ渡り、ライアン・マクマホンが滑り込んだカミネロにタッチ。

リプレー検証の結果、代走オリバー・ダンが本塁へ到達する前にアウトが確認され、0―0の均衡は守られた。

「あれは全部マック(マクマホン)のおかげだよ。顔を上げたら、三塁にマックスが大きなターゲットを作ってくれていた。自分はちょっと嫌らしいシンカーみたいな送球をしてしまったけど、彼がうまく捕ってタッチしてくれた」とベリンジャーは振り返った。

ヤンキース打線はこの日もウェザーズを援護できず。ウェザーズは4安打3四球、4奪三振と粘りの投球を見せたが、ヤンキースは彼の登板時に無得点に終わるのは、これで今季5度目となった。

「彼らは空振りが少ない、本当にいい打線だ。でも、早いカウントで弱い打球を打たせることはできていたと思う」とウェザーズは振り返った。

前日の敗戦後、ブーン監督は「何とかしてレイズに勝たないといけない」と話していた。ヤンキースは開幕からレイズ戦4連敗を喫していたが、この日はジャッジの一振りでついに突破した。

そして、その一打は“ジャッジらしい量産モード”の始まりを予感させるものでもあった。

「こうやって勝ててよかった。これでカンザスシティーに向かえるよ」

主砲はにっこり笑ってスタジアムを後にした。