シーズンも約3分の1が過ぎると、やはりスターは今年もスターであることを証明し始める。しかし、そこに昨年は見られなかった顔が登場するのも毎年の楽しみの一つだ。
ちなみに両リーグ共に「本命」が独走態勢に入っているが、まだ十分に時間は残されている。もちろん、彼らがさらに後続を突き放していくという可能性もあるが。
各リーグ1位から5位までを41名の専門家が選び投票。1位は5ポイント、2位は4ポイント、、5位は1ポイントという加点方式でランクづけが行われた。
なお、すべて6月1日終了時点の成績となっている。
アメリカン・リーグ
1位:アーロン・ジャッジ(ヤンキース、1位票40)
まさに独走状態。打率.391、安打数86、長打数38、出塁率.485、OPS 1.249と、主要打撃指標すべてでMLBトップ。さらに本塁打も21本で3位につけている。2年連続、通算3度目のMVP受賞へ、文句なしの活躍を見せている。
2位:カル・ローリー(マリナーズ、1位票1)
本塁打数はMLBトップの23本。直近6試合では3試合連続弾を含む6本塁打と絶好調だ。5月全体でも12本塁打、OPS1.169(ア・リーグ2位)と手がつけられない。この勢いを持続することができれば、もしかしたら、もしかするかもしれない。
3位:ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)
「ゲームチェンジャー」っぷりを存分に発揮。打率.283、OPS .822はいずれもア・リーグの遊撃手の中で3位。二塁打22本、三塁打3本、盗塁20と走力でも存在感を見せている。特に5月4日〜16日の12試合では打率.354、長打率.708と圧倒的な活躍を見せた。
4位:ホセ・ラミレス(ガーディアンズ)
いつも通りの安定感で上位入り。打率.327(ア・リーグ三塁手1位)、安打69本(同1位)、OPS .939(同1位)という素晴らしい成績。直近では21試合連続安打も記録した。打率・長打率(.555)・OPSは全てがア・リーグ全体でもトップ5に入っており、本塁打11本、盗塁14と、今季も30本30盗塁のペースを見せている。
5位タイ:ラファエル・ディバース(レッドソックス)/タリク・スクーバル(タイガース)
開幕直後は調子が振るわなかったが、4月14日以降の成績は、打率.307、11本塁打、OPS 1.007、そしてリーグ最多の43打点を記録。出塁率の高さも健在で、6月2日時点でリーグ最多の47四球を選んでおり、DHとして高い貢献度を誇る。
一方、スクーバルは昨季の「ア・リーグ投手三冠王&サイ・ヤング賞」の名に恥じない投げっぷり。WHIP(1イニングあたりに許した走者数)は0.79とア・リーグ1位、奪三振99は2位、防御率2.26は7位と、再びMVPランキングに食い込む成績を維持している。
ナショナル・リーグ
1位:大谷翔平(ドジャース、1位票31)
開幕から24試合は打率.260、6本塁打、OPS .834。確かに昨年の50-50の後には物足りなく映っただろう。しかし、その後の巻き返しは圧巻。それ以降は打率.316、16本塁打、OPS 1.196と大爆発し、6月1日時点で本塁打数はナ・リーグトップの22本、OPSも1.045でリーグ2位。登板復帰の見通しも立ちつつあり、再び「満票MVP」の可能性が現実味を帯びてきた。
2位:ピート・クロウ=アームストロング(カブス、1位票5票)
前回の投票ではランク外となったが、一気に2位へと浮上。51打点でMLB全体2位、19盗塁はリーグ2位。本塁打も15本と、ナ・リーグ外野手の中で2位タイの数字を記録している。さらに守備面でも圧倒的な貢献を見せており、6月1日までに記録した10のOAA(Outs Above Average:平均の選手と比べてどれだけ多くのアウトを奪ったか)は、MLB全外野手の中でトップ。まさに「走攻守三拍子そろった選手」とは彼のことを指す。
3位:フレディ・フリーマン(ドジャース、1位票2)
2020年のナ・リーグMVPは年を取るごとにその深みを増していく。6月2日時点で打率.365、OPS 1.055はいずれもナ・リーグ1位の成績。特に5月はずば抜けた活躍で、月間打率.410はMLB全体でもトップ、4本塁打、10二塁打、1三塁打、OPS1.100を記録した。これはナ・リーグで大谷の1.180に次ぐ2位の数字だった。
4位:コービン・キャロル(ダイヤモンド・バックス)
開幕直後から開花した長打力が継続しており、本塁打は16本でナ・リーグ3位タイ。自己最高の25本まで残り10本を切った。6三塁打はMLB1位タイ、塁打数132は大谷に次ぐナ・リーグ2位。得点も44でリーグ4位タイと、打線の中心として機能している。
5位:カイル・タッカー(カブス、1位票1)
打率.284、12本塁打、OPS .918と加入初年度からその期待に応える活躍を披露。OPSはナ・リーグ全体で7位、外野手では2位となっている。また、直近11試合では打率.410、OPS 1.090とさらにギアを上げており、今後のMVP争いでさらに順位を上げる可能性もある。
