アーロン・ジャッジ「頂点に立つまで決して満足しない」

February 16th, 2026

ヤンキースのオフシーズン序盤の動きが鈍い、遅すぎるとアーロン・ジャッジも感じていた。

時間が過ぎ、ア・リーグ東地区のライバル球団が大型補強で次々と話題を集める状況に、ジャッジはフロントに対して率直な思いを伝えていたという。

「ブロンクスにもインパクトのある動きを」

そんな期待ともどかしさがあった。

「序盤は正直、見ていてつらかった『俺たちはニューヨーク・ヤンキースだろ。さあ動こう。優勝をつかみ取るために、必要な人材、必要なピースを獲りにいこう』という気持ちだった」とジャッジは振り返る。

その中で、今オフ最大の補強は、1月に実現したコディ・ベリンジャーとの5年総額1億6250万ドル(約265億円)での再契約だ。

これはジャッジ自身も強く望んでいた補強の一つだった。さらにトレント・グリシャムの残留、そして一塁手ポール・ゴールドシュミットの加入にも触れ、昨季94勝を挙げたチームを土台に「今のロースターはいい形に整っている」と手応えを口にした。

「しばらくは小さな補強を続けている状況で、序盤は正直きつかった。でもベリンジャーとの再契約が決まり、トレントがもう1年センターを守ってくれることになり、さらにゴールディ(ゴールドシュミット)が加わった。今はいい位置にいると思う」とジャッジは満足そうな表情を見せる。

「Run it back(同じメンバーで再挑戦する)」という言葉には否定的な響きが伴うこともあるが、ジャッジは昨季の多くの主力が残る陣容で再びア・リーグ東地区制覇に挑めることを「自分は大歓迎だよ。去年はディビジョンシリーズで敗退し、世界一を逃したから、いろいろな意見はあると思う。でも、あのメンバーの多くが戻ってくる。しかも彼らはインパクトのある選手たちだ。チャンスは十分あると思っている」と目を輝かせる。

このオフ、ジャッジの頭にあったのは“GM役”だけではない。昨年4月、マーク・デローサ監督から主将に任命されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、例年より早くオフのトレーニングを開始した。
「アメリカ代表としてプレーする機会はこれまでなかった。胸に“USA”をつけて戦えるのは、とても特別なことになると思う」と語った。

また、7月に負った右肘屈筋の張りによる不安は、今はまったくない。昨季終盤は制限があったが、WBCでは右翼を守る予定だ。今春はすでに何度もベースへの送球を行っており、「肘の状態は最高だ」と話す。

「去年、一番つらかったのはそこだった。投手は全力で投げているし、周りの選手たちも必死にやっている。それなのに打球が自分のところに飛んできても、どうすることもできなかった」

ジャッジは、総合的に見てキャリア最高の攻撃シーズンを終えたと言っても過言ではない。打率.331、出塁率.457、長打率.688を記録し、いずれもメジャー全体トップ。152試合で53本塁打、114打点をマークし、自身3度目のア・リーグMVPに輝いた。

アーロン・ブーン監督は「彼がフィールドで成し遂げた偉業を目にするのは本当に特別なことだが、それだけでなく、選手として、そして一人の男性、リーダー、キャプテン、父親として成長していく姿を見るのも素晴らしい。クラブハウスにいる誰からも心から敬意を払われている。それは本物だ」と語った。

メジャー史上最も長身の首位打者となったことを誇りに思いながらも、ジャッジは、これまで何度も口にしてきたように、そうした個人タイトルを「ヒーローズ・キャニオン」での優勝パレードと引き換えにできるなら迷わないと語った。

「頂点に立つまで決して満足しない。MVPやオールスターといった賞は関係ない。本当に大事なのは、ニューヨークを再び頂点に戻し、この球団を本来あるべき場所、つまり球界最高の組織へと戻すことだ。自分には果たすべき仕事がある。ただプレーするために給料をもらっているわけじゃない。ここで勝つために給料をもらっているんだ」