ドジャース、元オールスター投手を獲得

ケガ人続出の救援陣を助ける存在となるか

May 29th, 2025

ドジャースが、元オールスターのクローザー、アレクシス・ディアスをマイナーリーグの右腕マイク・ヴィラーニとのトレードでレッズから獲得した。ベテランリリーバー、エバン・フィリップスの離脱が7月初旬まで長引く見通しの中で、救援陣の強化を図った。

28歳のディアスは2023年にナ・リーグのオールスターに選出され、前年2022年には新人王投票で5位に入った実力者。メッツの守護神エドウィン・ディアスの弟でもあり、2022〜2023年の2年間で通算130試合に登板し、防御率2.47、47セーブ、169三振、69四球という成績を残した。

しかし、その後は調子を落とし、昨季はハムストリングのケガで6試合の登板、防御率は3.99となっていた。そのケガの影響で今季も開幕から出遅れ、6回を投げ防御率12.00と不振。4月30日のカージナルス戦では、九回に5失点を喫し、以降はメジャー登板がない。今月には3Aルイスビルに降格されていた。

3Aでは14試合で13回2/3を投げ、防御率4.61、16三振、12四球という成績。今季年俸は約10.6億円で2027年まで球団が保有権を持つ契約となる。(2028年以降にFAになる権利を持つ)

一方のドジャースは今季、救援陣がMLB17位の防御率3.98と苦戦。先発陣に負傷が相次いだことで、登板回数がMLB最多(239回2/3)となるなど疲労が顕著で、ナ・リーグ西地区で首位の座をキープしているものの、チームのウィークポイントとされている。

現在のクローザーはタナー・スコットだが、過去5登板中3試合でセーブ失敗。フィリップスのほか、ブルスダー・グラテロル、ブレイク・トライネン、カービー・イェーツ、マイケル・コペックらが負傷者リスト(IL)入りで、コペックはリハビリ最終段階だが、その他は復帰の目途が立っていない。

フィリップスは5月7日に右前腕の張りで15日間のIL入り。当初は短期離脱と見られていたが、MRI検査で肘の炎症が確認されたことで、60日間ILに移行。しかし、さらにその後トミー・ジョン手術が必要と判明。来週にも手術を受ける予定で、今季の復帰は事実上不可能となった。

フィリップスは、昨年のワールドシリーズでメンバー入りを果たせなかった時と同様に、開幕時にも右肩の回旋筋腱板の張りで離脱していた。その中で復帰後は7試合に登板して0失点、1セーブ、4ホールドと安定した投球を見せていただけに、ドジャースとしては痛い離脱となる。

一方、レッズに移籍するヴィラーニ(22歳)は2024年にドラフト13巡目で指名された有望株。大学時代には150キロ台中盤の速球と切れ味鋭いスライダーで注目を集め、プロ1年目の今季はアリゾナ・コンプレックスリーグで2試合に登板し5三振、計2イニングで完璧な投球を見せていた。

ディアスは今季不振とはいえ、MLBで実績のあるリリーバー。ドジャースとしては復活を期待しての補強であり、ブルペン立て直しの起爆剤となるか注目が集まる。