ヤンキースがすでにプレーオフ進出を決めていた9月下旬。アーメッド・ロサリオはクラブハウスのロッカーにもたれかかり、期待を上回ったニューヨークでのハーフシーズンを振り返っていた。
トレード期限にナショナルズから移籍したベテラン内野手兼外野手は、左投手に対して存在感を示した。その存在感はダグアウトでも発揮された。ロサリオとジェイソン・ドミンゲスは、「ラ・エスキーナ・カリエンテ(ホットコーナー)」と呼ばれる応援セクションで、誰よりも大きな声援を送っていた。
「まるでポッドキャストをやっているみたいだ」と当時、ロサリオはMLB.comに語った。
「すべてのことについて、人生について話している。試合にも注目している。チームメートのためにできる限り最高のエネルギーを与えようとしているし、ホットコーナー(熱い場所)らしく振る舞っている。みんなにはいつも言っている。『相手側でプレーするのがどんな感じか知っている。ヤンキース戦で大きなヒットを打てば、それはより重要なんだ』と」
ロサリオは30日(日本時間31日)、正式にヤンキースへ復帰した。球団は12月13日に合意していた1年契約を正式に発表した。契約条件は公表されていないが、関係者がマーク・フェインサンド記者に伝えた内容では、ロサリオの来季年俸は250万ドル(約3億7500万円)になるという。
30歳のユーティリティープレーヤーは、7月26日に右腕クレイトン・ビーター、外野手ブラウム・マルティネスとの交換でナショナルズから移籍。16試合に出場。打率.303(33打数10安打)、二塁打3本、本塁打1本、5打点を記録した。
ナショナルズとヤンキースの2チームで、ロサリオは63試合に出場し、打率.276、出塁率.309、長打率.436(181打数50安打)、6本塁打、23打点を記録した。対左投手では打率.302(116打数35安打)をマークしている。守備では三塁、二塁、右翼、遊撃を守った。
12月上旬、フロリダ州オーランドで行われたウインターミーティングを去る際、キャッシュマンGMは右打者のバランスを追求する意向を改めて強調していた。
「アーロン・ブーン監督には、左の先発投手と対戦する際にマッチアップできるような正当な選択肢を与えたい。明らかに今は左打者が多すぎて弱点になっているからだ。獲得可能な右打者はそう多くない」と同GMは語った。
ルール5ドラフトでカージナルスから右腕ケイド・ウィンクエストを指名した以外、今オフのヤンキースのメジャー契約での補強は、2025年に在籍した選手たちだけである。
ロサリオはそのグループに加わることになり、左腕ティム・ヒル、外野手トレント・グリシャム、左腕ライアン・ヤーブロー、右腕ポール・ブラックバーン(球団の公式発表はまだ)らが名を連ねている。内外野手のオズワルド・カブレラと右腕クラーク・シュミットも契約に合意し、年俸調停を回避した。
9月にロサリオはピンストライプでの短い時間を楽しんだと語っていた。今にして思えば、それはいかに再契約の希望を示唆していたのかもしれない。
「チームメートは毎日エネルギーをもたらしてくれる」とロサリオは語った。
「彼らはとても前向きだ。常に学びたいと思っていて、僕も彼らから多くの新しいことを学んでいる」
