【ドジャース2-6ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月28日(日本時間29日)
アンドレス・ヒメネスは今季、「守備専門の内野手」として批判を浴びてきた。規定打席に到達したア・リーグの打者の中でワーストのOPS.598を記録し、ブルージェイズ打線の弱点と見られてきた。
しかし、それはレギュラーシーズンの話。ポストシーズン通算成績そのものは派手ではないが、この10月に何度もチームを救ってきたヒメネスは、第4戦でもその勝負強さを発揮した。
七回、1点差でリードしていたブルージェイズは、先頭から連打で無死二、三塁とし、大谷翔平をマウンドから引きずり降ろした。ここで打席に立ったのがヒメネス。代わってマウンドに上がった左腕アンソニー・バンダに対し、粘り強くフルカウントまで持ち込むと、最後はレフト前にタイムリー。貴重な追加点を挙げたブルージェイズは、これを口火に一挙4得点を奪って試合を決定づけた。
ヒメネスは今ポストシーズンで、得点圏で14打数7安打(打率.500)、3長打、11打点を記録。一方で、得点圏以外では40打数6安打。この極端な勝負強さを象徴しているのが、ア・リーグ優勝決定シリーズ第3戦と第4戦、マリナーズから放った2試合連続本塁打だ。
この日の七回の打席でも、ヒメネスはブルージェイズ打線の強みである粘り強さを体現した。カウント1-2と追い込まれてからも、ファウルで粘ってフルカウントに持ち込み、相手に簡単にアウトを与えなかった。
「バンダは左打者にはシンカーとスライダーを多く投げてくる。何球も見られたことで、自信を持って打席に立てた」とヒメネスは語る。
8球目、ヒメネスがとらえたのはこの打席で5度目のスライダーだった。打球は鋭いライナーとなってレフト前に抜け、バーショがホームイン。貴重な追加点をもぎ取った。
「うちのチームでは、『投手に5球以上投げさせれば、次の打者に有利な流れをつくれる』という考え方がある。それが自分の役割で、今日はしっかり果たせてよかった」とヒメネスは説明する。
このプランは理想的に機能した。ヒメネスのタイムリーの直後、タイ・フランスが内野ゴロで1点を追加すると、大谷から2ランを放っていたブラディミール・ゲレーロJr.が敬遠され、続くボー・ビシェットとアディソン・バージャーが連続タイムリー。打者9人による猛攻で試合を決定づけた。
18イニングを戦った第3戦との違いを問われたバージャーは「打球がうまく抜けた。それだけさ」と答えた。
「落ちるときもあれば、落ちないときもある。でも自分たちの戦い方は変わらない。ボールを前に飛ばして、走者を返すことだけを考えている」
第3戦では好投したリリーフ陣を援護できなかったブルージェイズ打線だが、第4戦ではその借りを返すように投打が噛み合った。
ヒメネスにとって、この日の勝利は特別な意味を持っていた。先発のシェーン・ビーバーは2021年から2024年までガーディアンズ時代に共に戦った旧友。今季途中にトロントで再会した右腕は、ドジャース打線を封じ込め、5回1/3を4安打、3四球、1失点、3三振(うち2つは大谷)という内容で試合を作った。
「5年間一緒にプレーしてきたあの頃と変わらないビーバーだった」とヒメネスはいう。
「彼はこういう舞台を楽しむタイプなんだ。チームのために投げるのが好きで、本当に頼りになる。彼がマウンドに立ってくれてうれしいし、こういう大事な試合で投げてほしいと思える投手のひとりだよ」
