ナショナルズの新監督に33歳ビュテラ氏が就任か 53年ぶりの最年少監督

レイズで選手育成に携わったエキスパート

October 31st, 2025

ナショナルズが次期監督を決定し、33歳のブレイク・ビュテラ氏を任命すると見られている。球団はまだこの報道を認めていない。ビュテラ氏は1992年8月7日生まれで、MLBでは1972年以来、最も若い監督となる。

ビュテラ氏はレイズで2023年10月に選手育成担当シニアディレクターに昇進。レイズのファーム組織のディレクターを務め、選手育成にかかわっていた。

それ以前はレイズでアシスタントフィールドコーディネーターを1年間、マイナーリーグのコーチを1年間務めたあと、1AのチャールストンとローAハドソンバレーでマイナーの監督を歴任。2018年には25歳でマイナーリーグ史上最年少の監督となった。

ビュテラ氏は選手時代、ボストン大学から2015年ドラフト35巡目でレイズに入団。ブランドン・ラウ(レイズ)やジェイク・クロネンワース(パドレス)と同期で入団し、マイナーで2シーズンプレーした経験がある。

ナショナルズは10月、ポール・トボニ氏を新たに球団編成部長に任命し、長年続いたマイク・リゾーGM体制から新時代へ移行した。

トボニ編成部長は新監督にMLBでの監督経験が求められるかどうかについて「考慮すべき要素の一つではあるが、すべてではないのは確かだ。様々なスポーツで、初めての就任で成功を収めた監督やヘッドコーチは数多くいる。また、一度は失敗しても、二度目のチャンスを得て大成功を収めた監督やヘッドコーチもいる。だから、考慮すべき要素ではあるが、決してすべてではない」と、必ずしも経験にこだわるわけではないと明かしていた。

ビュテラ氏はボストン大でコミュニケーション学の学位を取得。また、野球家系の出身で、父と兄もドラフト指名を受けている。また2023年ワールドベースボールクラシック(WBC)では、マイク・ピアッツァ監督の下、イタリア代表のベンチコーチを務めた。

ピアッツァ氏は「素晴らしい採用だと思うし、本当にうれしい。ビュテラ氏は非常に忠実で、勤勉で、効率的で、献身的な野球人だ。その知識と物腰は尊敬を集めている。常に選手たちが成功できるよう尽力して​​くれるだろう。彼と一緒に仕事ができて光栄だった」と太鼓判を押す。

ナショナルズは新時代への転換期にあり、2019年のワールドシリーズ優勝監督デーブ・マルティネスを7月に解任。監督代行を務めたミゲル・カイロとも契約を更新せず、新監督を探していた。

ナショナルズは2025シーズンを66勝96敗で終え、過去6シーズンで5度目の最下位と低迷した。得点力はリーグワースト3位、防御率はMLBワースト2位と、投打ともに実力不足が否めない。

一方で、将来性豊かなチームでもある。選手の平均年齢はMLBで2番目に若く、スター候補も多い。この数年間は世代交代を進めており、ビュテラ新監督より年上の選手は右腕トレバー・ウィリアムズ(1992年4月生まれ)のみ。先日は小笠原慎之介(28)をメジャー40人枠から外すなど(アウトライト)、未来へ向けた舵取りを行っている。

ビュテラ新監督は、外野手ジェームズ・ウッド(23)、遊撃手CJ・エイブラムス(25)、左腕マッケンジー・ゴア(26)ら若い選手の才能を最大限に引き出し、再建を進めることが期待される。

また、このニュースを受けてオリオールズの新監督に就任したクレイグ・アルバーナス氏もエールを送った。マイナーリーグではコーチとして同僚だったビュテラ氏に対し、アルバーナス氏は「私の相棒!素晴らしい人間であり、友人であり、夫であり、そして師。リーグの他のメンバーもこの衝撃に備えてくれているといいな。兄弟、誇りに思うよ」と、Xにつづった。