ジェイズ、ヤンキース戦4連勝で9年ぶり地区首位に

July 4th, 2025

ブルージェイズ8-5ヤンキース@カナダ・トロント/ロジャースセンター、7月3日(日本時間4日)

3カ月前にこの状況を予想した人はいただろうか。

2025年のブルージェイズは驚異的な粘りで、ヤンキース4連戦をスイープ。今季成績を49勝38敗にし、2016年9月5日以来、実に9年ぶりのア・リーグ東地区単独首位に立った。

「これが今の俺たちのチームだよ」とチームリーダーでスター選手のジョージ・スプリンガーが語った。

「主力が何人か欠けていても、俺たちはこうしてリーグ屈指のチームと渡り合えるんだ。もちろんヤンキースは素晴らしいチームだけど、そんな相手に『自分たちの野球』をして勝てたことが最高だ」

あの2015年、16年の伝説的チーム以降、ポストシーズンでは勝利できず、早期敗退と悔しい負けを重ね、肩を落とし、嘆く年月が続いた。しかし今、ホセ・バティスタやジョシュ・ドナルドソン率いる「ならず者集団」以来初めて、コーチ陣と選手が完全に噛み合っている。互いを補完し合うだけでなく、相乗効果でさらなる力を引き出している。これこそ、データやスプレッドシートでは測れない『マジック』だ。

今季ブルージェイズは下位打線で小さなアドバンテージを積み重ねてきたが、それが実を結び始めている。今シリーズはボー・ビシェットを欠く中、シュナイダー監督と打撃コーチ陣は予想外のオーダーを組んだが、すべて機能した。きょうの試合ではネイサン・ルークスが今季初の先頭打者の起用に応え、9球連続ファウルの末、14球目で勝ち越し打を放つという執念の打席を見せた。

シリーズ第3戦でも采配が光った。

デービス・シュナイダーを右腕ウィル・ウォーレン相手に起用。監督はマイナーでの成績や過去の相性を挙げたが、実際は直感だったのだろう。その夜、シュナイダーは2本塁打を放ち采配に応えた。

「この仕事の楽しくも難しいところだ。24時間前は(デービス)シュナイダーとウォーレンのことを話していた。自分とデマーロ・ヘイル、ドニー(マッティングリー)とダグアウトで『ここで打ってくれたら俺の株が上がるな』と話していたら本当に打ってくれて、大笑いしたよ」とシュナイダー監督。

スター選手も躍動した。

カナダデーに2本塁打を放ったジョージ・スプリンガーは、この日も2発。移籍後最高のシリーズと言える活躍で、復活シーズンを盛り上げた。