ブルージェイズ、勝利の鍵はキャンプ中のバント競争か

賞金1000ドルは監督のポケットマネー

April 4th, 2025

【トロント】ブルージェイズ春季トレーニングのクラブハウスに一枚の紙が貼られていた。

モノポリー人形のようなジョン・シュナイダー監督が札束を空中に投げているような写真の下には、赤組と青組にチーム分けされた選手名がリストアップされていた。

「春季キャンプ中に選手を2チームに分けてバント競争をやったんだ。ポケットマネーから賞金1000ドルを出してね」

シュナイダー監督は笑いながら説明する。

一塁コーチのマーク・バジンスキーが、バントの精度を高めるためのフラフープやコーンなど目印を用意し、そこに正確にバントした選手にはポイントが加算された。組み分けされた選手たちは毎日バント競争を行い、合計ポイント数を競争しあった。

監督のポケットマネーによる投資は当たり、4月1日のナショナルズ戦はバント作戦が光り、5対3で勝利を収めた。

まずは1点リードの2回無死1、2塁の場面。DHウィル・ワグナーがセイフティバントで満塁のチャンスを作り、野選や内野安打でこの回3点を先制。ナショナルズに同点にされて迎えた8回には無死1塁からワグナー、アーニー・クレメントのバントで相手投手にプレッシャーを与え、ボー・ビシェットの走者一掃の2点タイムリーのお膳立てをした。

クレメントがバント競争の詳細を教えてくれた。

「自分のチームは負けちゃったけれど、真剣勝負だった。(タイラー)ハイネマンはバントはバントの達人。今日、2回バントを決めたワグナーもマジで上手い。ゲレロやボー(ビシェット)のようなスラッガーは参加しなかったんだ。だって彼らには必要ないから」

MLBのクラブハウスでは常にお金が動いているが、春季トレーニングでのバント競争はのんびりとした空気が流れる2月にぴったりだった。

ちなみにシュナイダー監督のモノポリーおじさんのような画像は、2022年にブルージェイズでプレーし、今季からオペレーション部門アシスタントで、グラフィックデザイナー志望の加藤豪将がデザインを担当した。

「勝つためには何でもする。今日はバントが勝利に貢献したね。お金を有意義に使ったってことになるね」と監督はご満悦だった。