【ブルージェイズ4x-3エンゼルス】@カナダ・トロント/ロジャースセンター、7月4日(日本時間5日)
試合終了の幕切れは、まさかの『サヨナラバント』だった。
3-3の同点で迎えた延長10回ブルージェイズの攻撃。打席に立ったアーニー・クレメントが、今季『バント・オブ・ザ・イヤー』とも言える絶妙なセーフティーバントを披露した。投手と三塁手の間に絶妙に転がると、メジャー屈指の俊足を飛ばして一塁へ。
エンゼルス6番手のサム・バックマンの送球は一塁へ暴投となり、その間にサヨナラの走者が生還。ブルージェイズナインはベンチから飛び出し、劇的勝利を分かち合った。
ブルージェイズは今季最長の6連勝でア・リーグ東地区単独トップの座をさらに固めた。ヤンキース、レイズを2ゲーム差で突き放し、2015年ぶりの歓喜へ向け勢いは加速している。
この日、チームを支えたもう一人のヒーローが先発左腕エリック・ラウアーだ。6回1/3を投げ、降板直後に救援サンドリンが被弾し2失点が記録されたが、自責点はわずか2。今季ブルージェイズ加入後は51イニングで防御率2.65と、すばらしい投球を続けている。
ラウアー自身、メジャーでの成功体験はあった。2021、22年にはブルワーズで通算277回1/3を投げ、防御率3.37と安定感を誇った。しかしその後調子を崩し、24年には韓国プロ野球でプレーするまでに低迷。
「当初はまったく乗り気じゃなかった」と振り返るが、最終的には「素晴らしい経験」と前向きに受け止めた。そして今春、ブルージェイズとマイナー契約を結んだものの、3Aバッファローで「先発要員の一人」として過ごす夏になるかと思われたが、その運命は一変した。
同僚クリス・バシットは「本当に素晴らしい。色んな球種を色んなコースに投げ分けて打者を翻弄するし、ストライクも取れる。ここ数週間、われわれの中で一番安定したスターターじゃないかな。これ以上ない褒め言葉を送りたいくらいだ」と最大の賛辞を送る。
このような「思わぬ掘り出し物」の活躍もチームに勢いを与える。2025年シーズン、ブルージェイズが「普通のチームから良いチーム」へ、そして今や「偉大なチーム」への階段を上り始めたのは間違いない。目の前にはポストシーズンへの最短距離が開かれている。
