【ロッキーズ1-15ブルージェイズ】デンバー/クアーズフィールド、8月4日(日本時間5日)
ボー・ビシェットは球界で最も“うっとうしい”バッターの一人だ。粘り強くピッチャーにプレッシャーをかけ続け、最終的には出塁する。しかし、安打だけでなく、力強い一振りもまた、相手を苦しめる武器の一つだ。
15得点を挙げ大勝した、アウェイでのロッキーズとのシリーズ初戦で、ビシェットは2本の特大ホームラン。7月以降はこのような力強い打球が増えており、リーグを席巻するブルージェイズの象徴となりつつある。
「ボーとブラディ(ゲレーロJr.)はある意味似ている。2人ともリーグでもトップクラスの強い打球を飛ばしているし、あとは失投を捉えられるか、少し前でうまく打てるかどうかなんだ。打球がフェンスを越えるようになれば、本当に完成度の高い打者だよ」とジョン・シュナイダー監督は語る。
“ビシェット”がクアーズフィールドで本塁打を放ったのは、父ダンテ・ビシェット以来、実に25年ぶりだ。1993〜99年までロッキーズでプレーしたダンテは、この地で111本の本塁打を記録した。そんな父とゆかりの深い球場で、息子はキャリアハイの6打点を挙げた。
父ダンテは遅咲きの選手で、1995年に40本塁打を放ち31歳でブレークを果たす前は、27本がキャリア最多だった。ラリー・ウォーカー、ビニー・カスティーヤ、アンドレス・ガララーガらとともに「ブレイク・ストリート・ボンバーズ」の一員として、ロッキーズの歴史に名を刻んだ。
今のブルージェイズは対照的に、全員野球が真骨頂。この日も三回までに、先発9人が安打を記録するなど持ち味を発揮したが、一打で流れを変えられる選手の力はあるに越したことはない。何より、そういったパワーこそが10月の短期決戦で鍵を握る。
だからといって、選手たちに力んだ様子は見られない。シュナイダー監督が再三口にする「カンフタブル」(Comfortable)が何を意味するかは人それぞれだが、ビシェットにとってそれは自分らしくあること、そして今を生きることにある。
「とにかく今この瞬間を生きることに集中している。過去は過去、未来は未来だ。今を生きるしかないし、それをうまくやれていると思う」
確かに年間50本を記録する選手はいないかもしれない。しかし、一人一人の力が次々に連鎖していく時、ブルージェイズはMLBで最も爆発力のあるチームになる。
「最高のチームだよ。勝つためにはどんな努力も惜しまないメンバーがそろっている。それがみんなにも伝わってるし、自分も今はどうやって勝利に貢献するかだけを考えている。全員がそう思っているし、その一員になれて最高だよ」とビシェットは笑顔で語った。
