2025年シーズンを終え、ホットストーブ(オフシーズンの移籍・契約情報)が本格化する中、フリーエージェント(FA)資格のある注目選手たちを改めて見ていこう。
ボー・ビシェット
ポジション:ショート
所属チーム:トロント・ブルージェイズ
年齢(2026年開幕時):28歳
2025年成績:打率.311/出塁率.357/長打率.483(OPS.840)、本塁打18、打点94、得点78、OPS+129、守備補正込みWAR 3.8
クオリファイングオファー:あり
2025年シーズンを終え、フリーエージェント(FA)市場が本格化する中、注目選手の一人であるトロント・ブルージェイズのショートストップ、ボー・ビシェットの動向が注目されている。28歳となるビシェットは、2025年シーズンに打率.311、18本塁打、OPS.840を記録し、チームのワールドシリーズ進出に大きく貢献した。
2024年は負傷の影響で成績が振るわず、FA移籍の可能性が取り沙汰されていた。今季4月にブルージェイズがウラディミール・ゲレーロJr.と14年5億ドル(約767億円)の契約を結んだことで、業界内ではビシェットの退団がさらに現実味を帯びた。しかし、2025年は完全復活。守備面では課題があるものの、二塁へのポジション移動の可能性もあり、オフシーズンの市場価値は高まっている。
ゲレーロJr.とビシェットはトロント到着以来、ブルージェイズの顔としてチームを牽引してきた。1993年以来初のワールドシリーズ進出を果たした今年、ビシェットは新契約でチームに残るのか。それとも、影響力のある内野手が不足する今オフ、他球団に移籍するのか注目される。
主な移籍候補球団
ブルージェイズ
トロントへの復帰は双方にとって自然な選択肢だ。ビシェットは現ア・リーグ王者の主力選手であり、二塁に移ることでアンドレス・ヒメネスをショートに回し、内野守備を強化する案もある。ビシェット本人もトロントに残りたい意向を示しており、あとは契約条件の折り合いがつくかどうか。
ジャイアンツ
6月のラファエル・デバース獲得にもかかわらず81勝81敗でポストシーズンを4年連続逃し、今オフは積極補強の可能性がある。ビシェットが二塁に移れば、ウィリー・アダメスとの強力な二遊間を形成できる。三塁で長期契約をしているマット・チャップマンは、元ブルージェイズの同僚で既知の仲だ。
ブレーブス
キム・ハソンのオプトアウトでショートに空きが生じ、二塁のオジー・アルビーズは2027年に700万ドル(10.7億円)のクラブオプションを控えており、近い将来ポジションが空く可能性もある。ビシェットは打撃面で大幅な強化となる。2025年の同ポジションは本塁打3本、OPS.550にとどまった。
ドジャース
FA市場の主要選手リストにロサンゼルスが入らないことはない。ムーキー・ベッツは遊撃に移行済みだが、必要に応じ二塁や外野に戻せる。二塁のトミー・エドマンも外野に回れるため、ビシェット獲得時は多くの選択肢がある。
タイガース
毎年ほぼすべてのFA打者の候補だが、ビシェットはタイガース打線にフィット。昨季ショートで大半出場のトレイ・スウィーニーは打撃(OPS.549)も守備(-6アウト)も不振。グレイバー・トーレスもFAで二塁に空きが出る可能性がある。
ヤンキース
アンソニー・ボルピーが肩の手術で序盤欠場のため、ショートの再評価が可能。ジャズ・チゾムJr.はあと1シーズン契約下で、2026年はビシェットを遊撃に置き、チゾムJr.がFAなら二塁に回せる。ブルージェイズの主力を奪う点も魅力。
フィリーズ
カイル・シュワーバー、J.T.リアルムート、レンジャー・スアレスらがFAを獲得。シュワーバーとリアルムートの再契約が有力だが、チーム刷新を望めばビシェット獲得もあり得る。トレイ・ターナーは2033年まで遊撃に固定、ブライソン・ストットは二塁であと2年のアービトレーション(給与調停)対象、アレック・ボームは来年FAで、いずれかをトレード材料に補強可能。
メッツ
ビシェットがリンドーアに代わってショートを務めることはないが、マクニールをトレードして二塁空ける、あるいは三塁起用は現実的。2025年にポストシーズンを逃したメッツは打線強化が急務で、特にピート・アロンソが他球団に移れば重要性は増す。
関係者の見方
「ビシェットの価値は健康状態と、短期・長期での守備位置評価に左右される。打撃力にプレミアムを払うチームは常に存在し、リスクを許容するか、若くコストを抑えられる二塁手とのバランスで投資を正当化できる」
注意点
ショートでの守備は課題であり、膝のケガもあってスピードは保証されない(2021年以降プラスのベースランナーではなく、Statcastでは今季平均以下)。2025年の三振率はキャリア最少の14.5%で、他シーズンより4.5%低い。例外的な数字なのか、今後も続く傾向なのかは不明。チェイス率(ストライクゾーン外のスイング率)は下位12%でキャリア傾向と一致している。三振率を維持できれば大きなプラスだが、将来も保証はない。
過去の契約参考例
最近のFAショートの契約が目安となる。ダンズビー・スワンソン(7年1億7700万ドル=271億6000万円、2023年以前)とウィリー・アダメス(7年1億8200万ドル=279億2600万円、昨季)。守備力はビシェットが劣るが、キャリアOPS+121はスワンソン95、アダメス109より高い。また28歳シーズンを迎えるタイミングも、両者(FA時点で29歳前)より有利だ。
