ブランドン・ニモ、元同僚のエース右腕に相談して移籍を決断

トレードは「本当にショックだった」

November 25th, 2025

ブランドン・ニモは「生涯メッツ」でキャリアを終えられた可能性があることを理解している。

高いレベルの活躍を続けていれば、本拠地シティフィールドにデービッド・ライトの背番号と並んで自分の背番号が掲げられた可能性があることも知っている。家はメッツのキャンプ地、フロリダ州セントルーシーにある。これまでに1度もメッツ以外のチームでプレーしたことはない。

◆トレードの詳細
レンジャーズ獲得:外野手ブランドン・ニモ(プラス金銭)
メッツ獲得:二塁手マーカス・セミエン

だから、デービッド・スターンズ編成本部長から連絡を受け、トレード拒否権を行使せずレンジャーズ移籍を受け入れるかどうかを尋ねられたとき、ニモは考えなければならないことがあると分かっていた。

スターンズ編成本部長がニモにトレードの可能性を伝えたのは20日(日本時間21日)。その時点でトレード成立への唯一の障害は、ニモが持つトレード拒否権だった。23日(同24日)までにニモは拒否権を行使しないことを決め、レンジャーズの一員となった。

「本当にショックだった」とニモは語る。

「僕たちは最後までメッツでプレーするという思いで人生を築いてきた。(トレード拒否権を放棄する前に)レンジャーズがワールドシリーズ制覇のために全力を注いでいると知る必要があったんだ。自分が入団するのは再建チームではないと確認したかった。ワールドシリーズ制覇を狙えるチームであること、毎年優勝の可能性があるチームだということを本当に知りたかった。(レンジャーズのクリス・ヤング編成本部長は)それをハッキリと示してくれた」と移籍を決断した。

ニモはトレード拒否権を行使しないことを決断する前に、元同僚であるレンジャーズのエース、ジェイコブ・デグロムに連絡を取った。デグロムはヤング編成本部長がニモに伝えたことをすべて肯定した。レンジャーズは間違いなく、優勝を狙っているのだと。

「(デグロムは)レンジャーズについて素晴らしいことしか言わなかった」とニモは振り返る。

「彼は両方の立場を経験し、この環境でしっかり実力を発揮してきた。レンジャーズがワールドシリーズを制覇できると考えている。再建モードではない。全力で優勝を目指す。来シーズンはレンジャーズにとって、非常にエキサイティングなものになるだろう。もしこのチームでワールドシリーズ制覇を狙えると信じていなかったら、僕がトレード拒否権を放棄することはなかったと思う」と語った。

今回のトレードにより、2023年のワールドシリーズ優勝メンバーがまた1人、レンジャーズを去った。レンジャーズは21日(同22日)の「ノンテンダーデッドライン」でアドリス・ガルシア、ジョナ・ハイム、ジョシュ・スボーツを放出。ガルシアの退団により、新しい外野手(ニモ)を獲得する必要性が明確になった。

ヤング編成本部長は、ニモに伝えたように、チームの人気選手を放出したあとも変わらず優勝を目指し続けると強調した。

「この2年間は期待に応えられず、非常に厳しい期間だった。期待に応えられなかったときは難しい決断を迫られる。それが現実だ。今回のトレードは、私たちに必要な決断だったと思う。今後、素晴らしい成果を達成できるように、ブランドンが私たちを手助けしてくれることを楽しみにしている」とニモへの期待を口にした。

レンジャーズが今回のトレードに動いたのは、ポストシーズンに返り咲くために、ニモ獲得がベストの選択肢だと考えたからだろう。しかし重要なのは、これは始まりに過ぎないということ。今季のレンジャーズ打線はwRC+(92)がメジャー25位、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と低迷し、今オフは立て直しが急務となっている。

今季と全く同じメンバー、あるいはそれに近いメンバーで来季を迎えることは選択肢になかった。ニモは世界的なスーパースターではない。しかし、間違いなくインパクトのある打者であり、レンジャーズの上位打線に定着し、コリー・シーガーやワイアット・ラングフォードといったスラッガーたちに打点のチャンスをもたらすだろう。

今季のニモは打率.262、出塁率.324、長打率.436を記録し、wRC+は114だった。レンジャーズでこれを上回ったのは、シーガーとラングフォードの2人しかいない。

ヤング編成本部長は「プラトーン起用の必要がない選手を獲得できたのは非常に大きいと思う」とコメント。

「それによって、汎用性の高い選手をロースターに入れる余裕が生まれるし、選手起用の柔軟性も増す。ラインナップに安定性と一貫性をもたらすという意味において、私たちにとって本当に大きな動きだった。今回のトレードによって、チームはさらに強化されたと思う。ほかの選手の起用法次第では、より強力なチームを作ることも可能になったはずだ」とニモ獲得の意義を強調した。