ブラジル、2013年以来のワールドベースボールクラシックでの躍進なるか

January 26th, 2026

ブラジルのスポーツといえば、やはりサッカーの豊かな歴史がまず思い浮かぶ。

しかし、野球もひそかに力をつけてきている。2023年のパンアメリカン競技大会での銀メダル獲得は、その成長を象徴する出来事だった。そして今、ブラジル代表は、さらに大きな舞台で実力を示す準備を整えた。2026年ワールド・ベースボール・クラシックの最終予選を勝ち抜き、最後の出場枠を獲得。世界最高峰の国際大会への切符を正式に手にした。

ブラジルの大会出場は2013年以来2度目で、今回は勢いを結果につなげることが目標だ。まだ初勝利は果たしておらず、2026年大会に向けては、ベテランと新進選手を組み合わせたチームに加え、場合によってはMLBスターの参加も見込まれ、世界の舞台で一気に存在感を高める可能性を秘めている。

2025年予選での活躍

ブラジルは2025年3月、アリゾナ州ツーソンで行われた予選を制し、2026年大会への出場権を手に入れた。予選初戦ではコロンビアに0-5で敗れたものの、その後は3連勝で最終出場枠を掴んだ。

決勝戦はドイツを相手に劇的な6-4での勝利。ブラジルにとって13年ぶりとなる予選突破だった。試合序盤、レオナルド・レジナットとダンテ・ビシェット・ジュニアの活躍で得点を重ね、四回までに6得点を奪った。その後は投手陣がしっかり抑え、最後は6-4-3のダブルプレーで試合を締めくくった。

2026年の大会日程

2026年ワールドベースボールクラシックは3月5日から17日まで開催され、試合はプエルトリコ、ヒューストン、東京、マイアミで行われる。

ブラジルはヒューストンで行われるプールBに所属し、USA、メキシコ、イタリア、イギリスと対戦する厳しい組に入った。プールBの試合は3月6日から11日までで、ブラジルは大会の優勝候補USAと3月6日に初戦を迎える。

ワールドベースボールクラシックでの最高成績

ブラジルがこの大会で最も輝いた瞬間は、2013年の初出場時に訪れた。この時、同国史上最大級の番狂わせを、あと一歩のところまで成し遂げかけた。開催国・日本と同じプールAに入り、2大会連続優勝中だった強豪と初戦で対戦。多くが日本の勝利を予想する中、ブラジルは意地を見せ、相手だけでなく世界を驚かせた。

五回、レジナットの決定的な二塁打をきっかけにリードを奪うと、3-2と僅差のまま終盤へ。日本にホームでの重圧を与え続けたが、八回に日本が3点を挙げて逆転し、試合は5-3で決着した。最終的にブラジルは0勝3敗で大会を終え、再び予選からの挑戦を強いられたものの、この“ほぼ大番狂わせ”は、今なおブラジル野球を象徴する瞬間として語り継がれている。

ブラジル史上最大の試合

ブラジルの国際舞台における指標となる一戦は、やはり2013年の日本戦だ。結果こそ敗戦だったが、その内容は大きな注目を集め、ブラジルが世界屈指の強豪と互角に渡り合える力を備えていることを示した。2013年の予選でパナマを下した勢いそのままに、ブラジルは恐れを知らぬアンダードッグとして、殿堂入り選手バリー・ラーキン監督のもと大会に挑んだ。

ブラジル史上最大の試合が敗戦に終わったという事実は、一見すると不思議に映るかもしれない。しかし、この試合が示した可能性こそが今も語り継がれ、2026年大会で再び強豪相手の初戦に臨むブラジルの姿勢を象徴している。

注目のMLB選手

注目はボー・ビシェットだ。実現すれば、ブラジル代表に名を連ねる現役MLB野手は彼一人となる可能性が高い。母親を通じてブラジル代表の資格を持つビシェットは、2026年大会への出場に前向きな姿勢を示しており、参加が実現すれば、ブラジル打線の戦力だけでなく、国際的な注目度も一気に高まるだろう。

ビシェットは2016年の予選で、兄のダンテ・ビシェットとともにブラジル代表としてプレーした経験があるものの、本大会出場には届かなかった。今回の2026年大会への参加は、9月に膝の負傷から復帰し、メッツと契約した後のコンディションや、球団からの出場許可が鍵を握るとみられる。本人は再びブラジルのユニフォームを着ることに強い意欲を示しているが、最終的な判断は健康状態とタイミング次第となりそうだ。

マイナーリーグの有望株にも注目

ブラジルの注目新人のひとりがルーカス・ラミレスだ。12度のオールスター選出と2度のワールドシリーズ制覇を誇るマニー・ラミレスの息子であるルーカスは、予選で13打数5安打を記録し、2026年のブラジル代表にとって意外な脅威となり得る。2024年のドラフトでエンゼルスに17巡目で指名され、大学進学の道を選ばずプロ契約を結んで7月にキャリアをスタートさせた。2025年にはエンゼルス傘下のハイA、トライシティ・ダストデビルズに到達している。

注目すべきストーリー

もちろん、ボー・ビシェットの存在はそれだけで大きな話題だ。MLBスターがブラジル打線の軸となり、場合によっては兄ダンテと並んでプレーする可能性は、大きな魅力を放つ。ただし、見逃してはならないもう一つの物語がある。それが、ブラジル野球の「心臓」とも言えるベテラン、レオナルド・レジナットだ。予選ではトップ10の活躍選手に選ばれ、チームが最も彼を必要とする場面で、常に結果を残してきた存在である。

現在35歳のレオナルド・レジナットは、ブラジルがこれまで出場してきたすべての本戦および予選に名を連ねてきたベテランだ。3月にブラジルが2026年大会の出場権を獲得した際には、「おそらく今回が最後の出場になるだろう」と語っている。
今回の予選では13打数5安打、二塁打3本、打点4を記録。大会予選(2012年、2016年、2022年、2025年)通算では14試合で51打数26安打、打点11と、驚異的な数字を残してきた。

プールBに入ったブラジルにとって、現実的な最優先目標は最下位を避けることだ。最下位に沈めば、次回大会では再び予選からの出場を強いられる。しかし、より意義深い目標があるとすれば、レジナットにふさわしい形で最後の大会を戦わせることだろう。

今大会前の注目ポイント

  • ボー・ビシェットは出場するか?
    ブラジル代表はすでに勢いを手にしているが、ビシェットの出場可否によってチームの展望は大きく変わる。世界的な注目度も一気に高まるだろう。フリーエージェント期間を経てトロントからメッツへ移籍したビシェットが、ブラジル代表としてプレーできるかが焦点となる。
  • ブラジルは番狂わせを起こせるか?
    ブラジルはこれまでも強豪相手に互角の戦いを見せてきた。あとは、その内容を初勝利につなげ、世界の野球ファンに確かな存在感を示せるかどうかだ。