牽制アウトに表れるジャイアンツの攻撃不振

ここ15試合で10敗と苦戦中

June 29th, 2025

【**ホワイトソックス1-0ジャイアンツシカゴ/レートフィールド、6月28日(日本時間29日)**

得点力不足に悩まされているジャイアンツ。打撃も走塁も思うように機能していないことを改めて痛感する敗戦となった。

ジャイアンツは六回、ホワイトソックス先発のハウザーに5回1安打に抑えられていた中で無死二、三塁という絶好のチャンスを迎える。しかし、最初に打席に立ったラファエル・デバースは空振り三振で1アウト。続くエリオット・ラモスの打席で、三塁走者のブレット・ワイズリーがホワイトソックス捕手のケーロに牽制アウトを喫し2アウト。ラモスもセンターフライに打ち取られ、無得点のまま回を終えた。

打線が振るわない中で走塁ミスは致命的。実際、仮にワイズリーがアウトになっていなければラモスの一打が犠牲フライになった可能性もある。ワイズリーは前日の試合でも一塁で牽制アウトになっている。

「打球が転がったらスタートを切るつもりでいた。ラファがスイングしたのを見て、ちょっと重心が前にかかってしまった。スライディングせずに立ったまま戻れば、体に当ててアウトを防げたかもしれないけど、あれは良いプレーだった」と本人は語る。

また、ボブ・メルビン監督は「ゴロでホームを狙うためにリードを取っていたが、ボールがホームベースを越えた時点で戻らなければならない。積極的な走塁をしたい気持ちはわかるが、戻れないようでは意味がない」と語った。

直後の六回裏に、ロビー・レイが投じた内角低めの速球をベニンテンディが右翼スタンドへのソロ弾を放ち、これがこの日唯一の得点となった。

「確かに流れが変わったと感じた。ソロ本塁打で負けることは通常あまりないが、今日は相手が一枚上手だった」とレイは語る。

レイは六回を4安打1失点に抑える力投を見せたが、ハウザーの前にジャイアンツ打線は沈黙。ハウザーは88球で7回を無失点、4安打に封じ込めた。

これでジャイアンツ(45勝38敗)は過去15試合で10敗目。得点圏での打率は.170、出塁率.289、長打率.321と打線の低迷が続いている。得点を狙って積極的な走塁を試みるも、今季、MLBで5番目に多い29の走塁死を記録している。

間もなく右手の捻挫から復帰が見込まれる三塁手マット・チャップマンの存在は大きいが、それ以外の主力選手も得点機で結果を出し、投手陣の負担を軽減する必要がある。

そんな現状をメルビン監督は以下のように分析する。

「積極的に攻めて得点を取ろうとしているが、今回は裏目に出た。このような状況では、プレッシャーを軽減するためにも、挑戦し続ける必要がある。試合の早い段階でも中盤でも、もっと先発投手にプレッシャーをかけないといけない」

「確かに今日のハウザーは素晴らしかった。シンカーがよく変化していた。ただ、それでも得点しないといけない。チャンスを逸すると、それが流れを左右してしまう。(苦戦の)原因は打線にある」