快進撃を続けたブルワーズ、大谷擁するドジャースに屈す

October 18th, 2025

2025年のブルワーズは、0勝4敗という歴史的な出遅れを乗り越えて、メジャー最多となる97勝を掲げてシーズンを駆け抜けた。5~6月に8連勝で波に乗ると、7月にはミジオロウスキー効果もあって11連勝。そして8月には記録的な14連勝を挙げた。

3年連続のナ・リーグ中地区制覇、8年で7度目のポストシーズン進出も実現。ライバルのカブスをNLDSで破り、6年連続だったポストシーズンシリーズ敗退の連鎖も断った。
だが、その先に待っていたのは『大谷翔平率いる』ドジャースという高く、険しく、そして大金を費やした壁だった。NLCS第4戦は5-1で敗戦。

大谷の歴史的な投打二刀流の前に、力尽きた。

「そんなに遠くにいるわけじゃない。見た目ほどではないよ。いつか、僕らがあの場に立つんだ」

歓喜に沸くドジャースを見つめながらクリスチャン・イェリッチは語った。

伝統スタイルの「コンタクト・スピード野球」を追求した打線は、ホームラン数22位ながら打点を量産し、レギュラーシーズンでは上位に名前を連ねていた。しかし、ポストシーズンではそれが影を潜め、NLCSでは攻撃陣が全くかみ合わなかった。

第1戦の九回、満塁で1点差に迫った場面がシリーズ唯一のチャンスで、そこからは下降線をたどった。打率.118、OPS.384というシリーズ成績は、3試合以上のポストシーズンシリーズとしてMLB史上3番目の低さをマークした。

「まったく何も噛み合わなかった」とシリーズで15打数、1安打6三振に終わったトゥランは振り返る。

「でも、こういう試合から若いうちに学ばないといけない。悔しいけれど良い1年だったし、楽しかった。ここにいる皆を尊敬している」

パット・マーフィ監督は「頂点まではあとわずか、底までもほんの少し」という言葉を口にし、ライバルとの苦闘で『エネルギーを奪われた』ことも認めた。
27イニングで3得点の攻撃力、初回に3‑0とリードされるなど、MLBを代表する投手陣(スネル、山本由伸、グラスナウ、大谷)の前に力尽きた。

「こんな形でシーズンを終えたくなかった。でも投手陣が完璧に近く、彼らの方が上だった」と先発キンタナも語った。

ブルワーズのワールドシリーズ進出への願いはまた1年先送りになった。1982年以来、優勝争いにあと一歩届かず、2026年へ再挑戦となるが、2025年の足跡を忘れることはない。

「開幕前は誰も僕らを信じていなかった。名もなき選手たちが力を示した。僕らはメジャー最高の成績を残した。名前だけじゃ試合には勝てないと学んだ」とエースのペラルタは語る。

イェリッチは最後にこう言った。

「信じないわけにはいかない。俺は信じてる。ここにいる仲間も同じ気持ちだ」