ブルワーズが15日夜(日本時間16日)、ドジャースを退けてワールドシリーズ進出を決めた直後、対戦相手を気にする余裕は誰にもなかった。
試合後会見の終了間際、MLB職員がパット・マーフィー監督(67)とナ・リーグ優勝決定シリーズMVPのジェイク・バウアーズ(31)に声をかけた。
「ワールドシリーズでミルウォーキーで会いましょう」
マーフィー監督の返答がすべてを物語った。
「それ、いつ始まるんだ?」
開幕は23日(同24日)。舞台はアメリカンファミリーフィールドとなる。ブルワーズは球団記録の103勝を挙げたため、ワールドシリーズの本拠地開幕権を持つ。
ガーディアンズはレイズに2勝1敗とリードし、17日夜(同18日)にプログレッシブフィールドで延期された第4戦を迎える。
一方、ブルワーズには丸1週間の休養期間がある。相手が決まるまで、じっくり戦況を見守る時間は十分にある。
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考えられる各対戦カードを見ていこう。どちらを見たいか、選ぶ材料にしてほしい。
レギュラーシーズンの対戦成績を参考にすると…
大きな手がかりにはならない。ブルワーズは両チームに2勝1敗だった。
当時のガーディアンズはホセ・ラミレス(34)、アンヘル・マルティネス(24)、チェース・デローター(25)を欠いていた。3選手とも現在は復帰している。
ブルワーズの攻撃時
ブルワーズ打線は相手にプレッシャーをかけ続ける攻撃が強みだ。今季は二塁打、得点、安打、四球、打率、出塁率の各部門でMLBトップ5に入った。
ただ、レイズ相手では、その攻撃力がより厳しく試される可能性がある。レイズ投手陣は今季、MLB最少の409四球に抑え、DRS(守備で防いだ失点数を示す指標)も87でMLB2位だった。四球を選び、守備の間を抜く安打を重ねるブルワーズにとって、この投手力と守備力の組み合わせは難敵となる。
さらに、レイズの上位先発陣はポストシーズンでも好投を続けている。ドリュー・ラスムッセン(31)は2先発で防御率1.29。ペラルタも10回2/3で自責点1に抑え、ALCS第2戦では6回無失点と好投した。
ガーディアンズは別の難しさを持つ。ギャビン・ウィリアムズ(27)は今ポストシーズン、16回2/3で33三振と圧倒的な投球を続けている。ガーディアンズ投手陣も今ポストシーズン防御率2.54でレイズの防御率2.72をわずかに上回る。
ただ、レギュラーシーズンの四球数ではガーディアンズが530、レイズが409。選球眼を生かして走者をためるブルワーズにとって、ガーディアンズの方が攻撃の糸口をつかみやすい可能性がある。
相手チームの攻撃時
レギュラーシーズンの数字では、ガーディアンズとの対戦がブルワーズに有利といえる。ガーディアンズはポストシーズン進出チームの中でOPS.696が最低、678得点も最少だった。一方、レイズはジュニオール・カミネロ(23)の42本塁打を軸に出塁率.326でMLB5位タイに入るなど、より総合力の高い打線を組んだ。
しかし、ポストシーズンでは状況が変わっている。15日(同16日)終了時点で、ガーディアンズは1試合平均4.25得点、OPS.685に対し、レイズは同3.00得点、OPS.563にとどまっている。
より大きなサンプルで見ると、対戦相手としてはガーディアンズを選びたいという結論になる。ただ、現在の両チームの打撃状態を考えると、判断は簡単ではない。
リリーフ投手陣
どちらも終盤に入ると厄介だ。レイズのブライアン・ベーカー(31)は今ポストシーズン、チームの4勝すべてでセーブを挙げ、4イニングを投げて被安打0。イアン・シーモア(27)も6回1/3で自責点1と、終盤へつなぐ役割を担っている。
ガーディアンズにはケイド・スミス(27)がいる。今ポストシーズンは9回で被安打2、自責点1、13三振。ハンター・ギャディス(28)も7試合で計6回無失点と好投している。両チームとも、試合終盤を短くまとめられる強力なリリーフ陣をそろえている。
ブルワーズは今ポストシーズン、逆転勝利を重ねてきた。打線も試合終盤に相手ブルペンを崩せる力を示している。どちらと対戦しても、クローザー登板前にリードを奪えれば戦いやすくなる。
数字に表れない要素は?
ガーディアンズは1948年以来、ワールドシリーズ制覇から遠ざかっている。レイズもブルワーズと同じく、ワールドシリーズ優勝経験がない。
レイズとブルワーズには多くの共通点がある。ブルワーズのマット・アーノルド編成本部長はかつてレイズのフロントで働き、現在のレイズGMエリック・ニーアンダー氏と同僚だった。
さらに、ペラルタが古巣ブルワーズと対戦する可能性もある。話題性には事欠かないカードとなる。
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ガーディアンズのスティーブン・ボート(41)監督は現役時代にブルワーズでプレーし、3年前には最終的にマーフィー監督が就任した監督職の面接も受けていた。
ガーディアンズ-ブルワーズのワールドシリーズが実現すれば、映画とのつながりも生まれる。映画『メジャーリーグ』はミルウォーキーで撮影され、元ブルワーズ名物実況のボブ・ユッカー(享年90)が演じたハリー・ドイルが、ガーディアンズの前身インディアンスによる快進撃を実況する作品だった。
結論
ブルワーズが対戦相手として望むカードを選ぶなら、わずかにガーディアンズが優勢だ。ただ、今ポストシーズンの打撃内容を考えると、簡単には決められない。6カ月間のレギュラーシーズンではレイズがより完成度の高いチームだった。それでもガーディアンズは、この2週間でレギュラーシーズンの数字の重みを薄れさせている。
ブルワーズはどうか。ワールドシリーズ連覇中の王者ドジャースを退けたばかりだ。あとはア・リーグの決着を待てばいい。
誰かマーフ監督に、ワールドシリーズ第1戦の試合開始時間を教えてあげてほしい。