キャッシュマンGM、今井獲得に参戦

November 13th, 2025

ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、今週ラスベガスに集結したMLBの首脳陣とは離れた場所にいた。会場となったコスモポリタンの廊下が各球団の幹部で埋め尽くされる中、キャッシュマンGMは個人的な事情によりニューヨークにとどまっていた。

しかし、ネバダ州には複数の幹部を派遣しており、球団としてはすでに今オフに向けた土台づくりを進められる態勢にあるという。

「他球団や代理人とは電話で常につながっている」とキャッシュマンGMはオンライン会見で語った。

「できるだけ早い段階で情報を集めているが、毎年のように物事が動くには時間がかかる。ウインターミーティング(今年はフロリダ州オーランドで開催)に入るころには、状況がより明確になっていることを期待している」

アシスタントGMのマイケル・フィッシュマン、選手育成部門副社長ケビン・リース、野球運営部長マット・フェリーらがラスベガスに派遣されているヤンキース幹部だ。
以下は、キャッシュマンが12日に語った主な話題。

ベリンジャー再契約に「非常に関心がある」

キャッシュマンGMは、2500万ドル(約38億円)のオプション(球団の契約延長選択権)を破棄し、500万ドル(約7億6000万円)のバイアウト(契約の解除金)を選んだコディ・ベリンジャーとの再契約に強い関心を示した。
「彼には多くの選択肢があるだろう」とキャッシュマンは述べ、代理人のスコット・ボラス氏も同日、記者団との会見で同様の見解を示した。

「昨季、彼は素晴らしい補強だった」とキャッシュマンGM。

「最終的に私たちが収めた成功に大きく貢献してくれた。もちろん、戻ってきてほしい。彼を引き留められれば私たちにとって最善だが、そうでないなら別の方法で穴を埋める道を探り、その先を見極めることになる。まだプロセスはかなり初期段階だが、前にも言ったし今回も言う。彼に戻ってきてほしいのは当然だ」

トム・クルーズも喜びそうな話だが、ボラスはベリンジャーを語るのに『トップガン』の比喩を連発した。外野では「万能のヴァイパー」、打線の中軸では「メリン」、都会派の「マーベリック」であり、「真のアイスマン」だと称え、関心を示す球団については「彼らには必要がある、ベリへと進む必要がある」と言葉遊びで締めた。

グリシャムの決断待ち

ヤンキースは、今季の働きと「外野手、とくに中堅手の市場が非常に薄い」(キャッシュマンGM)ことを踏まえ、グリシャムに1年2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイング・オファーを提示する判断に「納得している」。

「もし彼が断るなら、外野手、とりわけ中堅手を必要とする球団が市場に多いということだ」とキャッシュマンGM。

「彼は私たちにとって素晴らしいシーズンを送ったし、今季の成功の大きな要因の一人だった。受諾して戻ってきてくれれば歓迎する」

キャッシュマンGMは、グリシャムがクオリファイング・オファーを受諾してもベリンジャー獲得の追求を妨げるものではないと述べた。ハル・スタインブレナー・オーナーが年俸総額を3億ドル(約464億円)未満に抑えたいとする報道がある一方で、キャッシュマンGMはオーナー側から最終的な上限額は示されていないとした。

「私たちの年俸状況は常に流動的だ」とキャッシュマンGM。

ジャズ・チザムJr.との延長交渉はまだ

チザムは、球団史で3人目となる30本塁打30盗塁のシーズンを達成し、シルバースラッガー賞も受賞。長期契約に関心を示している。キャッシュマンGMは12日に代理人のブロディ・バンワゲネンと話したとしつつ、新契約の具体的な協議には至っていないと説明した。

キャッシュマンGMは「彼とは来季にプレーするのを楽しみにしている、ここの仲間とプレーするのが好きだ、という話以外はしていない」と述べた。

「価値について本格的に話したいなら、長期契約の議論にも応じる用意がある。ただ現状はその程度だ」

今井達也はブロンクス行きの可能性があるか。

ゲリット・コール、カルロス・ロドン、クラーク・シュミットがそろって来季開幕を負傷者リストで迎える見込みのため、キャッシュマンGMは先発ローテーションの強化を目指す。注目の右腕、今井について問われると、ヤンキースは競争に加わる機会をぜひ得たいと語った。

「私たちは過去、日本市場でも確かに動き、松井秀喜、黒田博樹、田中将大で成功した。ただ、それはもうずいぶん前の話だ。直近の市場でも非常に積極的に動いたが、結果は伴わなかった」

直近の例は右腕、山本由伸だ。ヤンキースは10年3億ドル(約464億円)を提示したと報じられたが、山本はドジャースと12年3億2500万ドル(約508億円)で契約した。

今週の発表によると、今井は埼玉西武ライオンズからポスティングにかけられる。今季は162回2/3で防御率1.92を記録している。

「日本を含め、世界のどの地域の選手でも、私たちにフィットするなら誰にでも関心がある」とキャッシュマンGM。

国際スカウティングの体制変更

ヤンキースの国際スカウティング部長を15年務めたドニー・ローランドが退任すると、キャッシュマンGMが認めた(最初に報じたのはThe Athletic)。球団は後任候補の名前を集め、面接を予定している。ローランドはジャッソン・ドミンゲス、ルイス・セベリーノ、ミゲル・アンドゥハーらの契約を主導した。

「彼の契約が満了した。あらゆる事柄と同じで、非常に難しい決断を下さなければならない」とキャッシュマンGM。

「私は長くドニー・ローランドと仕事をしてきた。しかし分岐点に来て、契約が満了したので、そのポジションに異なるリード役を探すという難しい決断を下した」と新陳代謝を図る。