2005年7月4日、ジャスティン・バーランダーがタイガースでメジャーデビューした時、ブライス・エルドリッジはまだ生後8カ月だった。
それから20年。今、2人はサンフランシスコ・ジャイアンツで、最年少と最年長の選手として同じユニフォームでプレーをしている。
20歳のエルドリッジは身長約201cmの大型一塁手で、MLBパイプラインによるとジャイアンツのNo.1プロスペクト。42歳は、言うまでもなく将来の殿堂入りが確実視されているレジェンド投手だ。
そんなバーランダーと同じクラブハウスにいることは、エルドリッジにとっては夢のようなこと。でも、実は2人が初めて出会ったのは、今よりずっと前のことだった。
エルドリッジが9歳のとき、地元バージニア州ビエナのリトルリーグ・オールスターチームとして、オリオールズの本拠地カムデンヤードを訪れた際、試合前の打撃練習を見学するためにフィールドに入れてもらい、当時タイガースのエースだったバーランダーと直接会うことができたのだ。
バーランダーはチームの子どもたちにサインをし、一緒に写真撮影。エルドリッジはそのときの記念にセルフィーを撮ったが、この写真が、先日メジャー初昇格を果たしたあと、SNS上で大きな話題になった。
「(チームが)バーランダーと関係性があったので、試合前のフィールドに入れてもらえたんだ。バーランダーはサインをいっぱいしてくれて、写真も撮ってくれた。たしか、あのとき僕は9歳で、バーランダーはまだタイガース(所属)だった。本当に『めぐり合わせ』って感じだよね」とエルドリッジは振り返る。
そのときの写真をバーランダーは見たのだろうか。
「見たよ。絶対に見てる。クリスチャン・コスがチームのグループチャットにその写真を送ってきて、『バーランダーがエルドリッジを無視した』みたいなウソ話してたけど(笑)、そんなことなかったよ。すごく優しくしてくれたし、その日のことは今でもはっきり覚えている。9歳の子どもにとっては、めちゃくちゃうれしかった。20歳の今も、一緒にいられるのが信じられないくらいだよ」
2人は、きょう22日(日本時間23日)にも再び同じフィールドに立つ。バーランダーがカージナルス戦で先発し、今季最後のホームシリーズが始まる。
「まだ夢なんじゃないかって感じがするよ。時々、自分の顔を叩いて確認したくなるくらい」とエルドリッジは笑う。
