ブライス・ハーパーはこれまでにないほど、勝利に飢えている。
ここ数週間、ワールドベースボールクラシック(WBC)でアメリカ代表としてプレーし、「本当に楽しかった」と振り返る。決勝のベネズエラ戦では八回2死から同点2ランを放ち、試合を振り出しに戻した。負けてしまったとはいえ、自身の新たな象徴的瞬間を残し、大会を去った。それでも、やはり悔しさは残る。
「どんな大会でも、出るからには勝ちたい。シーズンに入る時も同じだ。チームとしても、自分個人としても、あと一歩のところまで来ている。ただ、そのあと一歩がずっと残っているんだ。WBCで金メダルを獲ることができたら素晴らしかった」と語った。
「でも、ワールドシリーズを制することこそが、この競技をやる理由であり夢なんだ。今年それを達成できることを願っている」
WBCでのハーパーは7試合で打率.214(28打数6安打)、1二塁打、1本塁打、3打点、OPS.624という成績だった。ハーパーであれ、チェイス・アトリー、マイク・シュミット、チャック・クラインであれ、7試合という短期間の成績を過度に評価すべきではない。それでも、結果は結果だ。
「ずっと状態は良かった。ただ少しタイミングがずれていた感じはあった。スイング自体はすごく良かったし、フルカウントになることも多かった。ストライクゾーンの球を仕留めきれなかった場面はあったけど、自分にとっては何よりタイミングの問題だったと思う。あと1週間あれば、しっかり調子を上げられていたと思う」とハーパーは説明した。
「最後の2試合、ドミニカ戦とベネズエラ戦ではいい感覚だった。今はスイングもかなり良いし、球の見極めもできている感覚がある。ストライクゾーンのコントロールもできていたと思う。あとはタイミングだけだ」
今春のハーパーにとっての大きなテーマは、球の見極めとストライクゾーンのコントロールだ。警戒されるからこそ甘い球が来ないのは当然で、昨季はストライクゾーン内に投じられる割合がわずか43.1%で、これは規定条件(200球以上)を満たした532人中最少だった。
だが、これも特別なことではない。2015年から2025年にかけても、ゾーン内の球はわずか42.1%にとどまっていた。この傾向はWBCでも変わらず、ストライクゾーン内の球はわずか40%だった。後ろにアーロン・ジャッジが控えていたにもかかわらず、だ。
フィリーズの打撃コーチ、ケビン・ロングは今月初めにこう語っている。
「彼には『自分を守ることが大事だ』と伝えている。どうやって守るか? 良い球を振ることだ。それが自分を守ることにつながる。打席をコントロールすること、それこそが最大の防御なんだ」
昨季の大きな課題は、チェイス率(ボール球へのスイング)が35.6%に達していた点である。これは2022年(35.7%)以来、最も高かった。
しかし今春は、WBC7試合とオープン戦4試合の計11試合で、ボール球へのスイングは27.5%(109球中30球)に抑えられている。
この改善についてハーパーは「単純に意識しているだけ」と語る。
「ちゃんとやることを徹底している。それが自分にとって大きい。自分のストライクゾーンをしっかり持って、四球を選べるときに、自分はすごく良い打者になる。今年もし140〜150四球を取れれば、自分の理想に近づけると思う」
つまり、より意識するだけの問題なのか。
「それをしっかり受け入れることだ」とハーパーは答えた。
では、昨年はそれができていなかったのか。
「いや、できていた」と否定した。
「ただ、ヒットばかりを求めるのではなく、四球を選ぶことをもっと徹底する必要がある。もちろん自分は打ちたいし、ヒッターでありたい。本塁打も二塁打も打ちたい。でも時には四球の方が自分にとって良い結果になる。今年はそれをもう少し増やせると思う」
開幕戦の打順はロブ・トムソン監督の判断次第だが、ハーパーが100四球以上を記録すれば、その多くの場面でカイル・シュワーバーが後ろに控えることになる。
それは相手投手にとって大きなプレッシャーだ。そして、その結果として決勝戦で打ち砕いた一球のように、ゾーン内の球も増えていくかもしれない。
「大事なのは、自分を見失わず、自分のゾーンを守りながら、理想の状態に持っていくことだと思う」とハーパーは語った。
